第百五十八話  “ 蘇るハングリー ” 10-18

半島の付け根で一夜を明かした。
昨夜は冷え込みもあまりなかった。
もしかしたら。
昨日、古着屋さんで買ったフリースのおかげかもしれない。
起きた時、体は寝袋を飛び出していた。

さて。
糸島半島を行く。
どこかHawaiiチックな街並。  サーフショップも軒を連ねている。
が、早過ぎた…。
まだどこも開いていなかった。

波も…。


そればかりは仕方ない。
福岡での波乗りはお預けだ。
先日、波乗りの機会を自ら逸してしまったのだから。

とは言え。  こうも思う。
見えない境界線にこだわる必要もあまり無いか。
と。
町境 市境 県境 国境。
人間が勝手に引いたラインなのだから。
その見えない境界線の為に争い事まで起きる。
悲しい事だ。

さて。
糸島半島を抜け国道に出ると。
あっ!  となった。

*この中にKENGO君がいます。さてどこでしょう!(笑)

自分の方が先に九州に入ったのに。
多少のルートの違いはあれど。
いつの間にか追い越されていたようだ。

さて。


唐津城を眺めながら針路を北へ。

目指すは。
立神P!  では無く。
Presence Surfboardさん。
京都の八丁浜、守源さんに教えて頂いたサーフショップさんだ。
『そこにゼンちゃんがいるから!』と。

夕方。  立神Pを一旦スルーし。
Presenceさんへ♪

恐ろしく急な坂道を上がると。


スケボーのパークを備えたショップが。

お店を訪ねてみる。
が、誰もいない…。
奥の方の建物から。  何かを削るような音がする。  ちょっと覗いてみる。
ファクトリーだ。
さらに奥の部屋から音がする。
『こんにちは!!』と大きな声で言って見る。
すると。
カチャっと。  奥の戸が開いた。


ん?誰だっけ?と言う表情も仕方ない。
いつもの事ながら。  アポ無しで突然行くのだから…。

『明日だったら福岡に行ってていなかったよ~!で、源ちゃん元気だった!?』と。

お二人はゼンちゃん源ちゃんの間柄のようだ♪

海を見下ろす高台からこの辺りのPについて教えて下さった。
冬になれば色んなリーフで波乗りが出来るとも教えて下さった。
そして。

『明日サーフィン出来るといいね~』と。
*突然お伺いしたにも関わらずステッカーまで頂きありがとうございました!

さて。
今日の寝床は。  立神Pのすぐ手前の道の駅のような施設にした。
そして。  また今日も。  旅人が集った。

KENGO君とYAHEI君(笑)

それぞれとは何度も一緒に野宿しているが。
三人まとめては初♪
この三人はなぜかペースが一緒だ。
また三人で出会う機会もあるかもしれない。

それぞれテントを張る。


そういえば。  今日一人用のテントを買った。
北海道で使用していた巨大テントは。  新潟辺りで軽量化の為に送り返した。

まぁなんとかなるでしょう!  と、些か軽率だった。
やっぱり寒い。
たまたま立ち寄ったホームセンターで。
売場の奥の奥の方で忘れ去られたかのように置いてあったソロテント。
安い♪
寒さに負けて宿を探す事を考えれば。
なんだか。  お値段以上の買い物をすることが出来た気がする。

実は。
まぁ実はと言うほどでもないが。
北海道を出るまでは相当ハングリーだったが。  最近、どうもハングリー精神が無くなっていた。
その野生児魂に再び火をつけたのは。
YAHEI君だった(笑)
彼のとてもワイルドなチャリダーっぷりに。  忘れていた何かを思い出した。

ここから先。  九州を南下しだせば。
長崎→熊本→鹿児島。
サーフィン♪サーフィン♪とは行かなくなる気がする。
そうなると。  ただただ走るだけではつまらない。
ちょっと色んな所に寄り道して行こう♪
と。
そんな悪巧みを最近考えている。

なのでここ数日は。  地図とにらめっこばかりしている(笑)

旅での出会いは。  自分にたくさんの事を教えてくれる。
そんな旅を。  ほんのちょっとでも長く続けていたい。

早く寝なさい!
と、言われながらもしぶとくテレビを見ていた子供の頃のように。

ではまた!