第百四十六話  “ WABI-SABI ” 10-04 & 05

逗留三日目。
守源旅館さんにお世話になって三日目だ。

守山さんは今月8日から千葉・鴨川で行われる。
サーフライダーファウンデーションの国際会議の準備で大忙し。

あっ。
守山さんはサーフライダーファウンデーションの理事をされている。
そんな時にお世話になっている自分…。
にも関わらず。
『とにかく今は体をゆっくり休めなあかんで~それが一番や!』と笑顔で言って下さる。
ついついお言葉に甘えてしまう。

さて。
もしかしたら。  波が上がるかも!?の予想に。  八丁浜に赴く。
も。
波の気配はなし。

天気の良い日に海を眺める。
ぽかぁ~ん♪としてみる。



毎日毎日。
迫り来るトラックや、日没にヒヤヒヤしたり。  朝夕の冷え込みもなければ雨の心配もない。
こんなにのんびりダラダラしたのはいつ以来だろうか。

こうして何にもしないで一日過ごしてみると。
いかに毎日の旅に神経を使っていたかが良くわかる。
極限の状態まで行かなくても。  繰り替えされる毎日の旅の試練。

少しは自分を強くしたのだろうか?

思えば。  旅の序盤。  鹿児島や宮崎で。  雨に打たれ。  虚しくなり。
その先の長い長い道のりに愕然とした日もあった。
そう言えば。
泣いた日もあったっけ(笑)

出会った人と別れる時。
また一人に戻ってしまう事に寂しさを覚えた事も何度もあったし。
自分の心に余裕が無いばっかりに嫌な事に文句を言った日もあった。

いつからだろう?  
そんな自分が変わりはじめたのは。

この日を堺に、という日はなかったと思う。
日々の出来事から少しづつ少しづつ。  何かを吸収してきたんだと思う。
様々な状況、いろんな土地で。

つまりは。

ちっとも強くなんかなってはいないって事だ。
経験を積んだ分だけ。  何とかなるさ♪
と。
諦めたらそこで終わりだ!
そして。
悪い事は何かその先にあるいい事に繋がってる♪
と。
そんな根拠の無い無責任な感覚を身につけてしまったようだ。

さて。  午後。
まだ今日のサーフィンが諦め切れない。
再び海へ。

14:21  海に着いて20分ほどした時だった。
急にサイド~サイドオンの風が吹き荒れだした。
が。
今日のサイズアップには到らなかった。

夜。
温泉に連れて行って頂き。
そして旅館の帳場で鍋を頂いた♪



たっぷり出汁が出た所で、鰆や鯛をしゃぶしゃぶ♪



守山さんは普段は豪快に笑うオープンな明るい方だが。
料理人さんだからなのか。  時折すごく繊細な感覚を見せてくださる。

守山さんの人間性の中に。  "わびさび"を感じた。
『わびさびは日本人が世界に誇るべき精神や』と守山さんは言っていた。

サーフィンとわびさび。
日本にサーフィンの文化がこれだけ根付き広がったのには。
楽しい♪  だけでなく。
日本人としての根本的な何かがある気がした。
日本海の刹那の輝き、儚い波の輝きに。

翌朝。  早朝に目が覚めた。



眠たい目を擦りながら八丁浜へ。


そこにあった波と数人のサーファーさんの姿。




海が与えてくれた恵に感謝しながら。  『いっただきま~す♪』となった。
2時間程波乗りを楽しませて頂いた。

守源旅館さんに戻る。
守山さんと、女将さんに挨拶をした。



女将さんがおにぎりを持たせて下さった。
守山さんは『とにかく気ぃつけてな!またいつでも遊びに来な!』と。



こんな時。
自分はいつも。  気の利いた挨拶が出来ない。
『ありがとうございました!』と頭を下げ。  『行って来ます!』と。

*守山さん女将さんカオリさん。本当にお世話になりました!旅を終えたら連絡します!
この三日間ありがとうございました!

*兵庫県の山の中で声をかけ、応援してくださった神戸のサーファーOさん♪



差し入れまで頂きありがとうございました!

ではまた!