第百五十二話  “ 一葉知秋 ” 10-12

昨日。
早めに着いた道の駅で。  自転車整備。
ブレーキワイヤー交換  ブレーキシュー前後交換  ハコブンダータイヤ交換

旅に出る前はこんなことが自分にできるとは思ってもいなかった(笑)

人は必要に迫られれば。  なんとかするものらしい。
きっとそうやって原始人から現代人へと進化したんだろう。

夜になり。  ガサガサと寝床を作る。

自転車日本一周      ~ サーフィンの旅 ~-PA120520.jpg

簡易シェルターと自転車&ハコブンダーごとテントのフライシートをかける。
すると。
忍法木の葉隠れの術♪



のように。
完全に周りから姿を消す事ができる。

姿を消す必要があるか?と言われれば。
その必要はあまりない…。
が。
風と寒さと雨を凌げる。

ところが。  この後。  この忍法で。  二人の人を驚かす事になってしまう。

自分が寝袋に収まり。  寝ようとしている時だった。
自分の近くに自転車が止まり。
そのすぐ近くで誰かがテントを張っている物音がする。
もちろんその人は。
3メートル横にまさか自分が寝ているとは思っていない。

忍法木の葉隠れの術は。  それほど周囲に溶け込んでいる。

その音を聞き。  もしやY君?
*このY君は北海道&京都&一昨日会った大阪のY君のこと。
と、思い。
シートをめくり。  顔を出した。
当然。
おぉぉっ!?
と、なり。  顔を見合わせ二人で笑った。
大阪のY君ではなかったがチャリダーさんだった。

静岡からのチャリダーのY君。



*翌朝撮影

彼が第一被害者だった。
その後お互いの旅話しに花を咲かせ就寝。

チュン♪チュン♪チュン♪  と、小鳥がさえずっていそうな朝6時。
夢と現実の間をさ迷っている時だった。
『やなっちさん!?やなっちさんですか?』と、そんな声が聞こえた気がした。
そして。
なぜかY君が『いや、違います。』と、その声の主と会話をしている。

その時ようやく目が覚め。  超低速回転ながら。
誰かが会いに来て下さったんだ。
と、理解した。

シートをめくり顔を出す。
すると。  やはり。  おぉぉぉっ!  と、なり。
悪気はなかったが、また誰かを驚かせてしまったようだ。
寝起きのむにゃむにゃ口調で。
『やなっちは自分で¨〆ヾ゛<』と言うと。
『あっ!何度かコメントさせてもらったブラッティーです!』と。



島根のサーファーブラッティーさん♪

『どーしても会いたくて!』と♪
出勤前の僅かな時間に自分を探して下さっていたようだ。
そして差し入れをたくさん持って来て下さった。
トラックドライバーのブラッティーさんに。
この先の道路事情について詳しく聞く事も出来た。

*ブラッティーさん!そこら中探して下さったようで!
差し入れまで頂きありがとうございました!

ブラッティーさんが持って来て下さった差し入れは。  Y君と半分ずつにした♪
そして昨日YOSHIKAZUさんから頂いたカステラを半分にちぎり。
朝ごはんに二人でカステラを大人食いした(笑)

独り占めより仲良く半分個♪  誰もが幼稚園で教えられた事だ。
独り占めすればたくさん食べれるが。  二人で半分個にすれば。
より美味しく、そして楽しく食べられる♪

波乗りも一緒だ。
みんなで波を分け合えば。  みんな笑顔でサーフィンできる♪

さて。
進む方向は一緒だが。  あまりにもスピードが違うので。
『また!』
と言ってY君と別れた。

それから2時間後。  通り過ぎようとしたコンビニに。  Y君のチャリが止まっていたので。
おっ♪と思い探してみると。
そこにはもう一人見慣れた姿が。



KENGO君だ(笑)

なぜか対談中の二人。
その光景に思わず大爆笑してしまった。

島根県の外れのコンビニに。  日本一周の旅人が三人(笑)
さぞかしコンビニの店員さんは気味悪かった事だろう。

KENGO君に今日の目的地を聞くと。  自分の目的地のひとつ手前の道の駅だった。
自分がペースを落とせばいいだけの事だ。
なので今日は自分もそこまでにする事にした。

追い抜いたり追い越されたりの展開だが。



次にまた必ず会える保障などない。  今を大事にしようと思った。

その後。  山口県に入り。



いくつもの峠とトンネルを越えた。

ふと。  目にした看板に。  下関まで120㎞と。
下関から九州に入れば。
福岡→佐賀→長崎→熊本→鹿児島…。

ちょっと気が早いが。  沖縄はもうすぐそこだ。
急に旅の終わりが近付いて来ている事を感じ。
無性に寂しくなった。
パスポートがあれば下関から韓国にでも行きたいくらいだ。

でも。
旅にはスタートがありゴールがある。
人生も人の命もそうであるように。  Endlessとは行かないのだ。

終わり無き旅に。  次の旅はない。
ゴールの先には。  新たなスタートラインがあるのだから。

ふぅ~。
しかしあれだなぁ~。
今からこの調子じゃぁ。  
沖縄のシーナサーフにゴールしたその時は。
確実に。  
泣くな(笑)



と、やけに綺麗な今日の夕日を見ながら。
太陽は今日のゴールに着いたんだなぁ~。
と。
そんな事を思ったりした。

ではまた!