第百五十九話  “ 旅の最後の悪あがき計画♪ ” 10-19

朝6時に目が覚めた。

不安がよぎる。   風が無い。   朝凪?

昨晩散々吹き荒れていた風がすっかり止んでいる。
波…。
果たして今日。  ここで波乗りは出来るだろうか。

冷静を装いながらテントをたたむものの。  焦ってうまく行かない。
そんな時に追い打ちをかけるように。
ハコブンダーパンク…。

そうこうしている内にKENGO君は出発。
何とか荷物をまとめ。
YAHEI君に、また!と言って出発。

立神P。
そこには九州サーフィン発祥の地と書かれていた。
ドキドキしながら海を見に行く。
海に近付くと。
波の音が聞こえて来た。

昔。

まだ波情報などなかった頃。
新聞の天気図とNHKの天気予報~明日の風と波~が頼りだった。
とは言え。
あまり理解もしていなく。  とりあえず行って見よう!  と、海へ向かうのだ。

まだ日も昇らない内に海に着き。
真っ暗な松林を歩いて海へ向かう。
海が近付くに連れ。
ドドドド~ッ♪と波の音が聞こえて来た瞬間。

おっ♪  と、きびすを返し。  全力疾走で車に戻り。  着替えを済ませ海へ行く。
ビーチで明るくなるのをじっと待ち。  東の空がほんのりと明るくなり。
うっすらと見え出した波にパドルアウトした。

そんな昔の事を思い出しながら。  海を見ると。

波がある!


一人のサーファーさんがすでに海に入っている。


少し大人になったからか。
小走りで自転車のもとへ戻り。  すぐさま着替えた。

立神岩に一礼し。

いただきます♪と。

海にいたサーファーさんに。  おじゃまします♪
笑顔が帰ってきた。
そして一本目の波。  あっ♪と思った。
立神Pの波は北海道のあるPの波に似ていた。

唐津で乗らせて頂いた波で北海道を思い出した。
なんだか不思議な気分になった。
ビーチ・河口・玉石・リーフ・コーラルリーフ。
すね~頭オーバーまで。

この旅に出て。  たくさんの波に乗らせて頂いた。
旅で出会った人達と同じように。
すべての波が思い出と共に体に刻まれているのだろうか。

ごちそうさまでした!  と、海から上がると。
一人のサーファーさんが声をかけて下さった。

ロングボードのYAMAGUCHIプロ♪

メローな雰囲気のとても気さくな方だった。
*声をかけて下さりありがとうございました!

そして。
ワン!と。  立神Pの番犬だろうか。
あぁお前か。

…。

えっ!誰だっけ?

とでも思っていたのだろうか?(笑)
*立神Pの皆さん!楽しい波乗りをさせていただきありがとうございました!

出発直後。
車で追いかけて来て下さったSさん♪

ニコニコと笑顔の絶えない方だった。
*応援して下さりありがとうございました!

そして夕方。  ある島に渡ろうと。

長い橋を渡っていると。
自分を抜き去り際に。
ベンツのオープンカーのジェントルマンが…。
『やっと見つけた!!』と。
えっ?えっ!なに?えっ?  いったい…どなた…。
と、当然そうなる。

『あっちで待ってる!』と、おっしゃったかどうかは定かではないが。

その方は。  びゅぅ~ん!と  橋を渡った先のパーキングで。
手をこまねいて待っている。

ペコリと頭を下げ『こんにちは』と。
すると。
『ずっとブログ見てるよ!今朝からずっと探してたんだ(笑)』とNさん。

今はやっていないそうだが。
九州のサーフィン創成期に波乗りをしていたと言う。
そんなNさんが。  チャリとハコブンダーを見ながら。
『俺もまたサーフィンしようかな~(笑)』と。
静かに微笑んでいたのがとても印象的だった。

*驚きましたがお会い出来てよかったです!差し入れたくさんありがとうございました!

そういえば。
橋を渡った先は長崎県だった。
旅もいよいよ…だ。
なので。。  旅の最後の悪あがきをしようと思う。

~自転車日本一周波乗旅的西方島波見聞録~

長っ(笑)
でも、なんだか。  すごくワクワクする♪
色んな島に渡って。
もしかしたら。  そこにある"かも"知れない波や。
島に住んでいる"かも"知れないサーファーさんとの出会いを。  求め、探して見ようと。

このまま鹿児島まで行って。  さらっと沖縄にゴールでは…  ね♪(笑)

まぁ。
一カ所も見つから無いとは思いますが(笑)
取り戻したハングリー精神と探求心全開で♪
でも、それはまだ。  ちょっと先のお話し♪

ではまた!