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第百八十一話 “ 堪え性無しの休日 ” 11-08

 

奄美大島。  ビラリーフにて。  波乗りをさせていただいた♪

 

えっ?えっ?  サーフィン抜きでって言ってなかった?
はい…
言ってました(汗)
堪え性無しですみません。

でもサーフィンが出来てよかった。
このまま奄美を発っていたら。  災害のイメージしか頭に残らなかったかも知れないし。

話を遡る。
奄美滞在中。  SANOさんには本当にお世話になりっぱなしだった。
一昨日、昨日と夕食をご馳走になり。

 

温かくもてなして頂いた。
その度に『ありがとうございます!』と言うと。
『こちらこそありがとうです!奄美の為に!』と。
結局。
滞在中ずっとお世話になってしまった訳で。
そして今日。
お休みだったSANOさんが、島を案内して下さる事に。
どういう訳か。  車にはサーフボードが二枚♪
実はSANOさんもサーファーだった。

こんな話を聞いた。

城。  "ぐすく"と読む。  サーフポイントだ。
ボランティア活動が一緒になった島のサーファーさんが。  こう言っていた。
『コンディションが整えば200㍍は波に乗っていられる♪』と。
しかし。
今となっては。  それは過去形だ。  
今回の災害で土砂が流れ込み。  地形が変わってしまい。
今、そのブレイクは失われてしまった。
島のサーファーさんが。  その土砂を。  何とかしよう!と奔走しているらしい。

一礼して海に入った。
ローカルさんに『おじゃまします!』と言いながら。  パドルアウトする。

岸に視線を戻すと。  山肌に茶色い部分がある。

 

崖崩れの跡だ。

今、おじゃましている手広海岸も。
城と同じ様になっていたかも知れないのだ。
自然の脅威と。  自然の恵み。  改めて気付く。
波が。
いかに繊細で儚いものなのかを。

波乗りを終えた後。
Green hillさんに立ち寄った。

 

仙台でお会いしたカメラマンのAさんに。
『奄美に行くならGreenhillのミドリくんを訪ねたらいいよ♪』と。
Aさんのいうミドリさんにはお会いできなかったが。
ミドリさんのお母さんが快く迎えて下さった。

 

ベランダから見える海。
次に奄美大島に来る時は泊まって見たいな~♪
と、そう思った。

明日の朝。  フェリーに乗って沖縄へ向かいます。

SANOさんファミリー。
ダイスケ君&お父さん。
HARUMATSUさん。
YAMADAさん。
Fさん。
ボランティアで一緒になれたたくさんの島人さん。
そして海風荘のおばちゃん。

皆さん本当にありがとうございました!

そして。
自分に恩返しの機会を与えてくれた被災者のみなさん。
まだまだ長い道のりでしょうが。  顔晴って(がんばって)下さい!!

ありがとうございました!

ではまた!

 

“やなっち”の旅はまだ終わってはいなかった!

『しっかり全部行ってこないと、日本一周とはいえんだろ?』
・・・・・の言葉で“やなっち”再奮起!

『南西諸島編』・・・・・ こうご期待!!

 

第百八十三話 “ 北緯26度42分東経127度77分に降り注ぐ大粒の雨あられ ” 11-10

今日でこの旅を終えるはずだった・・・・・・・。
しかし・・・・。
予想外のこの展開・・・・。
いや。  ある意味。  本能で何かを察していたのかもしれない(笑)

自分は昨日の日記にこう書いた。
~~明日。
自分はこの旅の最終地点シーナサーフに到着する。
でもそこはゴールではない。
これから先の。
新しい未来への。
スタートラインだ。~~   と・・・。

そして今朝。  奇想天外な一日が幕をあけた。
シーナサーフ流歓迎の雨あられが。  矢のように降り注ぎ。
それを巧みに交わしながら。
シーナサーフを目指してペダルをこいだ。
その雨あられに関しては。  今は記さないでおこうと思う。
おそらく。  
後日シーナサーフのHP にその一部始終が。
赤裸々に。  後悔。  いや。  公開されると思う。
自分の視点からではなく。  客観的な目線から。
その雨あられを見てもらえればと思う。

さて。  夕方。  シーナサーフに到着し。
ド派手な横断幕と。  ゴールのテープに迎えられた。

も。
つかの間。
サーフィンスクールの後片づけを命じられる自分。

それがさも当たり前かの様に。
なんの不自然さも感じないまま一仕事。

そして歓迎?のBBQが始まった♪

次々に現われる懐かしい顔ぶれ。
自分はただただはしゃぎっぱなしだ(笑)
ちなみに。
はしゃぎ過ぎて一枚の写真も撮っていない事に。
さっき気づいた・・・。

宴もたけなわの頃。  遠くから。   三線の音色が聞こえてきた。
やはり沖縄にはこの音色が良く似合う。
その音に連れ出されるように。
三線の音のする表通りに。

エイサー?   この時期に??
ふと。  高く掲げられた登りに目を向けた。
その時。

全身に鳥肌が立った。
かけ声と共に。  年団の。   力強く。  しなやかで華麗なエイサーが始まった。

 
立ちすくした。  いや。  動けなかった。

自分の為に。  今。  目の前で繰り広げられるエイサーに。
『あぁ・・・沖縄に帰って来たんだなぁ』と。
強く強く実感した。

そして。
その後だった。
シーナサーフのBOSSから。  *BOSS=オーナー
自分に目録が手渡された。
その目録には。  こう書かれていた。

やなっち様  先島諸島一周フェリーチケット♪

と。。。
人目をはばからず封を開けてみる。

   沖縄→宮古島        宮古島→石垣島       石垣島→西表島      西表島→与那国島
   
*乗船日が不明確の為手書きのチケット風になっています。

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
え?!  本当に!??
BOSSの顔を伺う。
『しっかり全部行ってこないと、日本一周とはいえんだろ?』
と。
自分が。  シーナサーフを離れ旅に出たい!!
と。
BOSSに伝えたのは。  調度、去年の今頃だった。
その時。  自分に。  こんな話をしてくれた事を思い出した。

BOSSがまだ若いころ。
と言うと、『今でもまだ若い!』と怒られそうだが(笑)
バイクでオーストラリア一周の旅に出た時の話をしてくれた。
たくさんの人との出会い。  ハチャメチャな出来事。
聞いているだけでワクワクするような素敵な話だった。
しかし。
ゴールであるパースの街があと少しと言う時だったらしい。
家庭の事情で急遽日本に戻らなくてはならなくなり。
ゴール目前で。 旅を終えなくてはいけなくなってしまった。
と。
そしてそれを今でもそれをすごく後悔している。
と、そう話してくれた。
『だから絶対に中途半端で旅を終えて欲しくない!』
と、言ってくれた事を鮮明に覚えている。

自分は。  沖縄をスタート地に選び。  そして沖縄にゴールした。
今は達成感に満ち溢れている。
でも。
もしかしたら。  数年後。  数十年後に。
やっぱりきちんと日本の端まで言っておけば良かった・・・・・・
と。
BOSSがしたのと同じような後悔を。 自分がしないようにと。
このチケットには。
BOSSのそんな想いが込められている気がした。

そう。
これがシーナサーフ流歓迎の雨あられなのだ♪

旅では。  散々雨に苦しめられた。
でも。
今日自分に起きたたくさんの雨あられ。
こんな雨あられならば。  いつまでも打たれていたい。
その雨にはたくさんの優しさが溢れている。
だから自分はここをゴールに選んだのだろう。 

今日シーナサーフに駆けつけて下さった皆さん。
自分の為に踊って下さった青年団の皆さん。
そしてアイランドブリーズ。
シーナサーフのスタッフの皆さん。

本当に本当にありがとうございました。

そして今までずっと自分と一緒に旅を続けて下さったたくさんの皆さん!
自分は。
しばらくの充電期間の後。  再び旅立ちます。
ですので。
もう少しだけ。  自分と一緒に旅を続けて下さい!
そして本当のゴールを一緒に迎えて下さい!!

よろしくお願いします!

ではまた!!

しかし。  この一方通行の(←)が気になる・・・・
まぁ。  なんくるないさぁ~で(笑)

 

第百八十四話 “Great Current ” 11-18

旅に出る前はいつも期待と不安が入りまじる。

これもまた。

楽しみの一つだ。

あれは必要かな?

これは?どうしよう?

いや。

念の為に♪

こうして荷物の量は旅への期待とともに膨れ上がって行く。


約1週間前にシーナサーフに到着し。

それからしばらく。

現実と非現実の間をさまよっていた。

一つの旅は終わった。

でも旅は終わりではなかった。

また新たな旅に出るのだ。

これまでの旅があって。

これからの旅がある。

生意気を言えば。

人生そのものだ。


卒業。

そして入学。

人はそうやって成長して行く。

卒業式と入学式の間にある春休み。

そんな気分でこの数日間を過ごしていた。

沖縄の陽気もその気分を助長してくれた。

さぁ♪明日は入学式。

今まさにそんな気分だ。


果たして今夜は眠れるだろうか。

再び旅に出られるドキドキ感に。

興奮して寝付けない。

それもまたいいかも知れない。

 

ここまでの旅は。

不思議な程に。

それこそ。

何かに導かれるように。

たくさんの人達との出会いと。

次々に起こる。

偶然という言葉だけでは片づけられない出来事に身をゆだねて来た。

今思えば。

旅に出たその時から。

いや。

旅に出るずっと前から。

目には見えない大いなる流れに。

乗っていたのかもしれない。


Great Current

そう呼ぶ事にした。


時に。

悠久の時を感じさせるように。

ゆったりと流れ。

時に。

川岸を削り取るような荒々しいい激流となり。

自分を導いてくれた。

 

旅はいつも。

心をシンプルにしてくれる。

シンプルになればなるほど。

その流れは力強く導いてくれる。

明日。

再び旅路に戻る。

まったく行き先の見ない旅ではある。

そんな時は。

身をゆだねればいい。

シンプルな心が出した答えと。

Great Currentに乗って。

 

*この場をお借りしまして。

たくさんのメッセージを頂きありがとうございました。

一緒に旅を続けて下さる方がいることを心強く感じています。

明日からも。

ぜひまた一緒に旅して頂ければと思います。

ではまた!
 

~自転車日本一周サーフィンの旅番外編 ~歩旅最果島紀行~
第百八十五話 “ 時の流れと自分の心 ” 11-19

*初めに。

 

今回の島旅は。

もちろん今までもそうしていましたが。

各島のローカルサーファーさんの意志や島自体のルールを尊重し進めて行く事にします。

 

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6時。

 

沖縄と言えどもまだ外は暗い。

 

小雨もパラパラ降ってきた。

 

旅立ちの朝としては100点満点ではないが。

 

出発できるのだから合格点だ。

 

コガちゃん&コボちゃんに見送られ。

 

サーフボードを積んだ自転車&ハコブンダーにまたがり南に向かった。

~~~~~~~~~~~~

 

4時間後。

 

到着したのは那覇空港だ。


出発までの数日間。

 

どんなルートがあるかを調べてみた。

 

以前は那覇~宮古~石垣間のフェリーが存在したが。

今は空路しかない。

 

と、なれば。

 

そこまでは飛行機に乗るしかない。

 

 

問題は。

 

自転車とハコブンダーだ。

 

これは貨物船に乗せて行くしかない。

 

しかし。

 

そうなると。

 

費用がかかりすぎる…。

 

 

試行錯誤の末。

 

出した答えは。


 

歩こう♪

 

だった。

 

バックパックフサーフトリップ♪

 

 

うん♪

 

何だか楽しそうだ。

 

それに。

 

歩きの方が島のリズムに合いそうだし。

 

よし♪それで行こう。

 

と、なった訳だ。

 

空港で自転車とハコブンダーとしばしのお別れだ。

 

やっぱり別れ際は握手がいい。

 

 

『じゃまた!』と再会を誓った。



 

11:00発石垣行きの飛行機に乗り込む。

 

この旅でフェリー以外の乗り物で移動するのは初めてだ。

 


 

一時間後。

 

石垣島の地を踏んだ。

 


沖縄本島より。

 

湿度が高く気温も少し高い。

 

はち切れんばかりのバックパックとサーフボードを持ち。

 

ひとまず5㌔程先の港に向かい歩き出した。

 

1㌔位歩いただろうか。

 

足は全く問題ない。

 

まぁ問題になる程歩いてもいないし。

 

しかし。

 

バックパックの重みがグイグイと肩にのしかかる…。

痛い…。

 

珍しく不安になった。

 

…大丈夫かなぁ?と。

 

しかし。

 

この重みには。

 

たくさんの人の気持ちが詰まっている。

 

そう簡単に弱音吐く訳には行かない。

 

一人でも自分と旅を楽しみに。

 

そして共にしてくれる人がいるなら。

 

この旅もまた恩返しだ。

 

 

さて。

 

この先にある島々の玄関口は全て石垣島だ。

 

まずはベースを作らなくては。

 

基本的に日本中どこでもそうだが。

 

キャンプや野宿がどこでも出来る訳ではない。

 

特に。

 

離島では。

 

過去に一部マナーの悪い旅人が。

 

島人の生活を無視し、秩序を乱した事により。

 

キャンプ場以外でのキャンプは完全に禁止されている。

 

そのキャンプ場もシーズンを過ぎCloseだ。

 

となると。

 

安宿を探すしかない。

 

そんな旅人の強い味方はドミトリーだ。

 

まずは宿探し。

 

 

親友?悪友?幼なじみ?

 

その全ての言葉があてはまる友人が。

 

自分より一足先に石垣島に来ていた。

 

友人Tと合流。

 

 


とりあえず。

 

友人Tが昨日泊まったゲストハウスに泊まる事にした。


島の夜はゆっくりと。

 

しかし確実に進んでいる。

そこに流れる島の時間と自分のリズムが合わなければ。

 

旅は続けられない。

 

 

何かを得るには。

 

何かを犠牲にせざる得ない時がある。

 

 

この旅の目的はなんなのだろうか?

 

と。

 

自分に聞いてみた。

 

旅がしたいのか。

 

サーフィンがしたいのか。

 

もちろん両方だ。

 

でも。

 

どちらかを選択しなくてはならなくなった時。

 

それは。

 

ある意味究極の選択だ。

 

しかし。

 

意外と思われるかもしれないが。

 

その岐路に立った時。

 

自分は旅を選ぶだろう。

 

なぜならば。

 

旅は人生の縮図だと思うからだ。

 

 

旅をしたから出会えた人。

旅をしたから出会えた波。

旅をしたから出会えた自分。

 

 

明日は。

 

どんな空が広がり。

 

どんな風が吹くのか。

 

南の島の湿った風が吹き抜ける。

 

そんな夜。

 

ここまで。

 

いろんな事を教えてくれたこの旅だ。

 

一つ一つの出来事に意味がある。

 

この新たな旅の持つ意味に。

 

心を巡らせながら。

 

眠りにつく事にしよう。

 

ではまた。

 

 



 

 

~自転車日本一周サーフィンの旅番外編 ~歩旅最果島紀行~
第百八十六話 “ ぶらり竹富島 ” 11-20

昨日の曇り空は一転。

 

石垣島が青空で迎えてくれた。

 

今日は。

竹富島に行こうと思う。

 

周囲数㌔の小さな島だ。

練習と言うわけではないが。

まずは肩慣らしならぬ足慣らし♪

 

石垣島の離島ターミナルからたったの10分。

沖縄の原風景が広がる島だ。

乗り込むフェリーの小ささにちょっと驚く。


 

 

今まで乗ったフェリーとは感覚が違う。
観光船と言った所だ。
風を浴びて海原を進めないのが少しだけ残念だ。

 

島に着き。
あてもなく。
ぶらぶらするだけの時間。
決められたスケジュールは特にない。

 

集落を右に左に。




 

竹富島に渡る前に。

今日のゲストハウスを決めた。

ドミトリーで。

一泊1000円♪

 

港から程近い街中にある宿だ。

そこに荷物を半分位置いてきた。

だから今日は比較的身軽である。

 

ゆっくりゆっくり。

歩く時間。

やはり今までの旅とは違う。

 

徐々に島旅のリズムに体を馴らす。

しかし。
暑い。
歩いているとじわじわ汗がでる。
やはり日差しが強い。

日陰に入ると。

 平らな島を吹き抜ける風が心地好い。

 

ついつい一休みしてしまう。

島の西側だろうか。

ビーチに向かった。

 

絵葉書のような景色だ。

木陰に座り。

のんびりと。

ふと。

明日は西表島に向かおうと。

思った。

 

夕方宿に戻り。

西表島の情報を集めてみる。

 

すると。

西表島では開いているキャンプ場がありそうだった。

明日は西表島に向かおう決めた。

 

ではまた!

 

~自転車日本一周サーフィンの旅番外編 ~歩旅最果島紀行~
第百八十七話 “ ムーンリバー ”  11-21

西はイリで。

東はアガリ。

きっと太陽のことだ。


東から太陽が上がり。

西の水平線へ入って行く。

西表島に到着したのはお昼前だった。

まずはキャンプ場を探すことに。

 

荷物満載のバックパック&サーフボード一式。

総重量約2223㌔。

この荷物の大半はキャンプ道具と自炊道具だ。

キャンプ場意外でのキャンプ&野宿が全面禁止の八重山諸島では。


ほぼ無用の長物だ…

それでも。

西表島にはこの時期でも開いているキャンプ場があるらしいとの事で。

ゲストハウスに荷物は預けずに持ってきた。

せっかく持ってきたのだからなんとか使いたい。

と。

ちょっと意地にさえなっている(笑)


港から一番近い。

数㌔先のキャンプ場へ向かう。

どうやらこの荷物を背負ってだと。

一時間に34㌔進むのが限界のようだ。

地図にのっているキャンプ場を目指して進む。

 

途中。

商店に立ち寄り食料調達。

おばちゃんにキャンプ場までの道を聞き。

買い物を済ませ商店を出た時だった。

ある物が目に飛び込んできた。

 

駐車場に停まっている車の上に。

サーフボードが積んである。

正確にはスタンドアップパドルボードだ。

 

自分は。

車の女性にすぐさま声をかけた。

しかし。

なんと声をかけたかは、はっきり覚えていない。

島でサーフボードを目にした事にすごく興奮していたのだ。

 

その女性=Nさんと少しやり取りをすると。

島のローカルサーファーのK1さんに連絡をしてくださった。

 

K1さんの連絡先を聞き。

Nさんにお礼を言い、まずはキャンプ場を目指した。*112103

島でローカルサーファーさんに会うのは。

すごくドキドキする。

 

誰々さんの紹介で来ました♪

となれば話も早いが。

もちろんそんなルートは持ち合わせていない。

だからこそ。

旅の中での一つ一つの出会いを大切にしなくてはならない。

 

今は。

掴みかけたこの流れになんとか乗りたい。

焦りに似た妙な心境が心の中に波打っている。

自分が受け入れてもらえるのかもらえないのか…

 

そんな事を考えながら。

そこから30分程歩くと。

目的のキャンプ場にたどり着いた。

が…

年中無休のはずがまさかのClose

急に肩に食い込むバックパックが重みを増す。


来た道を引き返し。

港を過ぎもう一つのキャンプ場へ向かう事にした。

 
夕方。

ようやくたどり着いたキャンプ場。

受付を済ませようやく一安心。

こんな時期にキャンプをしに来る人も珍しい。

そんな表情が見て取れる。


誰もいないキャンプ場。

テントを張り。

背中にくっつきそうなお腹を満たすため。

食事の準備。

水加減を失敗したご飯にレトルトカレーをかけ。

空腹を満たす。


少し元気を取り戻した。

 

意を決してローカルのK1さんにコンタクト。

電話がコールされる。

もう心臓が口から飛び出しそうだ。

 

しかし。

電話口に出た優しい声に救われた。

この旅に出て初めてホッとした瞬間だった。


『じゃあ夜にでも一緒に飲みながら話しましょう!』

となり。

夜まで待つことになった。

 

 

日が落ちていく。

それと共に。

真ん丸の月が上がってくる。

 

さっきまではあまり気付かなかったが。

今までに聞いた事の無いような虫たちの鳴き声がそこら中から聞こえてくる。

東洋のガラパゴスと呼ばれるこの島の一面を垣間見た気がした。

 

月明かりに誘われて。

キャンプ場をうろうろしてみた。

満月のおかげで。

足元は明るいが。

ハブを踏まないように懐中電灯を地面にあてる。

 

キャンプ場の端まで行き。

見渡した景色に息を飲んだ。

ムーンリバー。

月明かりがキラキラと海に輝き。
まるで大河のように佇んでいる。

夢を見ているようだった。

少しおかしく思われるかもしれないが。

 

この時。

この島に。

宇宙を感じた気がした。

 

続く。

 

~ちゃりんこ日本一周サーフィンの旅 番外編 ~歩旅最果島紀行~
第百八十八話 “ 島酒と回る地球と球技大会 ”  11-21~22

夜の8時半頃だった。

今にも止まりそうな。
心細いエンジン音がキャンプ場に近づいて来た。
島の居酒屋さんの送迎車だ。
その車の中にはK1さんの姿もあった。
『はじめまして!』と挨拶を。
優しい笑顔がかえって来た。

車で5分程の居酒屋さんに向かう。

店内に入ると。
島人さん達が賑やかに泡盛を飲んでいる。
通された席で改めてK1さんに挨拶をした。

K1さんは西表島出身。
高校を出て福岡に出た時に波乗りに出会ったと言う。
その後沖縄本島で本格的に波乗りを始めたらしい。
そして今は西表島に戻り。

しばらく話をしていると。
昼間にお会いしたNさんと。
島のパイオニアHさんも来て下さった。
K1さんとHさんは幼なじみになる。

しかし波乗りを始めた場所はそれぞれ別だ。

それぞれが波乗りに出会い。
島に戻って来た時に。
島の波の存在に初めて気付いたと言う。

しかし。
最初は。
島で波乗りをすることは困難の連続だったらしい。
島人のお二人とはいえ。
理解を得るのに時間がかかったようだ。

今回の旅では。
波乗りについて詳しく書こうとは思わない。

なぜか。
それは大切にしたいからだ。

島の恵み。
島のローカルサーファーさんの気持ち。
大自然と未知なるものを。

今まで。
自分と一緒に旅を続けて来て下さった皆さんには。
その気持ちが理解していただけると思う。

この日の夜。
島酒に酔いながら。
島の波乗り話を聞けた事。
こんなに離れた場所にも波があり。
サーファーさんがいると言う事実。
そして今自分がその場にいる事。

それで十分だ。
と。
そう思った。

 

それから。
何本の島酒の瓶がこのテーブルを行き来しただろうか。

深夜3時頃。
キャンプ場に戻りテントに転がり込む。
地球がメリーゴーランドのようにぐるぐる回っている。

またしても。
この島で宇宙を感じた瞬間だった(笑)

こうして西表島の長い長い一日は過ぎて行った。

翌朝。
正確には翌昼。
不愉快な頭痛と共に目が覚めた。

キャンプ場備え付けのハンモックに揺られながら。
島の風に吹かれていた。

ウダウダと時間が過ぎて行く。
それもまたいいか♪
と、曇り空の下ではあるが。
そんな時間を楽しんでいた。

日も暮れた頃だった。
電話がなった。
K1さんだ。
『やなっち!バスケ行くよ♪』と。

そうして向かった島の体育館。
徐々に集まり出して来た島の人達。

最初は。
遊び感覚のバスケだと思っいた。
しかしそれは大間違いだった。
皆さんの目つきは真剣そのもの。
しかも上手い。
みんな上手い。

なんでこんなに上手いんだろう?
と思い聞いてみると。
『島には野球部とバスケ部しかなかったからさぁ~♪』
と…
なるほど。
つまり皆さんは経験者なわけだ。
これはなんだか大変な所に来てしまった…。

いやがおうでも手渡されるビブス。
そして吹かれた残酷なホイッスル。

自転車で数千㌔を旅する体力と。
室内競技で使う体力は。
全く違う。

マンツーで!
ゾーンで!
4ー2で!
謎の言語が飛び交う中。
ねこじゃらしを追いかけ回す子猫のように。
走り回った。

結局。
ただの一度もゴールネットを揺らすことなく。
自分の中の。
島の球技大会は幕を閉じた。

それでも。
島の人達と同じ時間を共有し。
汗を流せた事が嬉しかった。

キャンプ場に戻り。
心地好い疲労感にぐったりしていると。
ふわふわ~♪っと小さく柔らかい光が目の前を横切った。
蛍だ。
こんな時期に蛍が見られるとは思ってもいなかった。

改めて思う。
日本って広いなぁと。

夏を過ごした北海道はすでに雪が降っている。
そこから。
直線距離で3000㌔以上離れた熱帯気候のこの島では。
こうして蛍まで飛んでいる。

しかし。
こんなに離れた場所にも。
共通の価値観を持つ人がいて。
自分が行動さえ起こせば。
出会える喜び。
さらに思う。
世界ってどうなってるんだろう。
と。

いつか。
自分の目で。
世界を見て。
肌で感じて見たいなぁ。
と、このキャンプ場内のお気に入りのハンモックに揺られながら。
そんな事を考えていた。

ではまた!

 

~ちゃりんこ日本一周サーフィンの旅 番外編 ~歩旅最果島紀行~
第百八十九話 “ 季節外れのこんな出会い ”  11-23

今日は。
午後から。
ワクワクするような展開が待っていた。

今日も曇りで。
北風が強くて寒い。
寒いと言っても。
半袖でいると肌寒い。
まぁそんな位の寒さだ。

昨夜のバスケットが思ったよりも体に堪えたのか。
どうしよもない位ダラダラと…

キャンプ場のレンタル自転車を借り。

 

ぶらぶらと。

"マリュウドの滝"と看板が出ていたので。
せっかくだからちょっと観光してみよう♪
と向かってみるも。

どうやら観光気分で歩いては行けないようだ。
船に乗って川をのぼり。
登山口から少しトレッキングして行くようだ。
あいにく島ぞうりで来てしまったし。
楽しそうな観光客さん大勢いる中。
一人ぽつん。
と、行くのも寂しい…。

なんと無く未練を残しながら。
それでも久しぶりのサイクリングを楽しみ。

キャンプ場まで戻ってきた。

すると♪
こんな季節に。
見るからに旅人です!と言わんばかりの人が。
キャンプ場に入って来た。

どうやったらそんなに荷物を積めるんですか…
と聞きたくなる程の荷物を背負っている。
 

すぐに自分の楽しい事ないかなぁ~アンテナが反応した♪

『こんにちは~!』
と挨拶をし。
少し自己紹介的な話をお互いに。
その直後。
自分のテンションは急上昇した。

『いやぁ~自分はちょっと前まで三年半かけて世界一周してたんですよ(笑)』
と。
せっせっ世界一周!?
なっなっ…なんだこの展開は!
でもなんだかすごくワクワクする展開だ♪

もう自分の興味はこの人にくぎ付けだ(笑)
本当は餌に群がる池の鯉のようにガツガツ話をしたいが。
その人のメロー過ぎる程メローなリズムを崩さないように。
なぜか冷静を装い。
そのTAKAさんのペースに合わせて。
コミュニケーションを取った。

特に意味はなかったが。
『明日はどうするんですか?』と聞いてみた。
すると。
『明日はカヌーを借りて川を下ってみようかなぁって思ってます。』
そして。
この次の言葉が。
自分の冒険心に火を付けた。

『本当はマヤグスクの滝を見に行きたいんですけどね…一人では入山出来ないんですよね…』
あっ!。
あの~♪。
もう一人は目の前にいますけど!♪
いかがですかぁ~?!!
と、学校の授業で普段は絶対に手をあげないどころか。
先生と目さえ合わせないようにしていたのに。
この時ばかりは。
心の中で天高く垂直に手をあげている自分がいた(笑)

しかし出会って一時間程で。
そんな名乗りを上げていいものなのだろうか。
厚かましくはないだろうか…
と、頭で考えながらも。
口からは出たのは。
『自分も一緒に行きたいです!!!』
と(笑)
自分の素直さに感心した。

『ほっ本当ですか!?』とTAKAさん。
お互いの予定を調節するまでも無く自分はフリーだ。
TAKAさんは明日はカヌーで遊ぶと言っていたので。

じゃああさってで♪
となった。
何だか子供の頃に流行ったテレビゲームのようだ。
主人公が旅先で出会った仲間と共に冒険を進めて行く。
魔物こそ出ないが気分はまさにそんな感じだ♪

夜。
二人で食事をしながら。
たくさん話した。

 
TAKAさんはなぜか幻の泡盛と言われる"泡波"を持っていた。

 

その島酒を飲みながら。
たくさん話をした。

TAKAさんはお酒が入ると少しおしゃべりになるようだ(笑)
旅の話を聞かせてもらった。
カンボジアで体験した現地の人達の生活の一端。
アフリカで首しめ強盗にあった話し。
南米グァテマラでみたティカル遺跡の話し。
シャーマンに術をかけられ幻覚を見た話し。
ヒマヤラの存在感に圧倒された話し。

自分にはその話の全てが新鮮だった。

TAKAさんは言った。
『世界は広いよ。でも世間は狭い。だって出会うべき場所で出会う人とちゃんと出会うもんね。』
と。

自分も思う。
日本も広い。
でも
人と人は。
離れていても繋がってる。
と。

西表島3日目の満月の夜は。
こうして虫の声と共に更けていった。

ではまた!

 

~ちゃりんこ日本一周サーフィンの旅 番外編 ~歩旅最果島紀行~
第百九十 話 “ いざ ! ”  11-24

 

朝。
『30分後に向かえに行きます!』
と、連絡を下ったのは島のサーファーHさんだ!
ついに来たのだ。
この時が。

ソワソワしながら向かえを待つ。
ちらちら時計を見ても。
こんな時は中々時間が進まない。

しかし。
こんなに嬉しい事はない。
旅を続けて来て本当によかった。
素直にそう思った。

Hさんの軽トラに乗り込み。
海へ。

その場所には。
すでに到着し、海に向かおうとしている他のサーファーさんの姿もあった。
『おはようございます!(島に)おじゃましてます!』と挨拶をする。

Hさんが自分が島に来たいきさつを説明してくれた。
すると。
『あれ?真木勇人さんのblogに出てた?』と。
自分はひどく照れながら。
『あっはい!』と。

しかし。
真木勇人さんの影響力は凄い。
北は北海道。
南は沖縄まで。
いったい。
今まで何人の方に声をかけて頂いた事か。

『楽しんで行ってね!』と言って下さったサーファーさんの雰囲気が誰かに似ていた。

支度を済ませ。
Hさんの後についてパドルアウトした。
岸近くの水温の低さには驚いたが。
しばらく行くと急に暖かい南国の海になった。

この後。
波乗りをした数時間。
それは自分の心にしまっておこうと思う。
今までのたくさんの旅の思い出とともに。一つだけ書こう。
そこには。
最高の笑顔があったという事を。

海から上がると。
『ごちそうさまでした!』と。
こぼれ落ちる笑顔を隠せない自分がそこにいた。
晴れ渡る空の下。

ゆったりと。

しかし充実感に満たされた時間が流れていた。
そんな時。
ふらふらっと見たことのある姿が歩いていた。
TAKAさんだ。

カヌーの川下りはやめたようで。
明日のマヤグスクの滝一本に絞ったようだ。

TAKAさんも一緒にこの輪に加わり。
お昼を食べに行く事に♪

 

途中Hさんの牧場へ。
Hさんは牛さん達と話しができるようで(笑)

巧に牛舎へと牛さんを誘導していた。
島の食堂に着き。
Hさんお勧めのにんにく豚丼を♪
ちなみに。
写真に写っている飲み物は。
島の麦茶だ(笑)

ちょうど明日行く予定のマヤグスクの滝の話しに。
一緒に海に入っていた北海道出身のサーファーさんが。
普段ガイドをしているとの事で。
詳しい話を聞けたのも。
やはり何かの縁だと思えた。

最初。
日帰りを予定していたのだが。
それだと。
時間に余裕が無いようで。
どうせなら。
山小屋の跡地でキャンプすれば?と言われ
二人で顔を見合わせニタぁ~っと笑った。

午後は明日の準備に追われた。
警察署に入山届けを出し。
食料とおやつを買い出しに。

キャンプ場に戻り。
一人落ち着かない自分をよそに。ゆったりとしているTAKAさん。
このテーブル周辺の荷物の9割が自分の物だ(笑)
いったいどうなることやら…

そんな訳で。
明日から。
一泊二日で。
西表島の幻の滝。
マヤグスクの滝に行って来ます!

電波が入らないらしいので次回の更新は遅れます。
ではまた!

*HさんK1さん初め島のサーファーの皆さん。
本当にありがとうございました!

島の波。
島の人達の優しさに感謝します。



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