第百参十一話  “ 不意打ちに返り討ち ” 09-18

昨日の反省を活かし。
今日は慌てず急がず。  心と時間に余裕を持ったペース配分。

ここ最近坂らしい坂がなかったが。
この辺りに来てプチ岩手と言った具合で小規模なアップダウンがたまにある。

が、今のところ。
どの坂もチャリダーズ・ハイになるほどではない。
*チャリダーズ・ハイについては岩手県の日記を参照してみてください(笑)

しばらく走りふと横を見ると。  サーフショップさんを発見。
立ち寄ってみるものの。  まだ時間が早かったのか開いていない。

昨日も五十嵐という場所の近くでショップさんを見つけるも、誰もいない様子だった。
まぁそんな事はちょくちょくある。
昨日もそうだったが。  どうやら新潟の海には呼ばれていないようだ。

すべてはタイミングで、昨日の出来事にも今日の出来事にも。
一週間前も一ヶ月前の出来事にさえ意味があり繋がっている。

またしばらく走ると。
突然。
不意打ちを喰らった。  
道端に停めた車から。  外国人の男性が出てきて。



自分に何か言っている。
『スピイクイングリッシュ?はっはっはぁ♪』  と、陽気な人だ。

親指と人差し指の間に1ミリ位の隙間を作り。
『…りとる。はっはっはぁ♪』と言ってみた。
以下はすべてこう言っていたのだろう、という想像だ。

『拙者、のるうぇーから馳せ参じたあんだーすと申す者だ。そなたは?』
『沖縄!やなっち!』
『ほほぅ。沖縄とは南の島のことじゃな?』
『そうそう♪』
『ジパングを自転車で回っているのか?』
『そう、その通り♪』
『いったいいかほどの月日を費やしているのかな?』
『かれこれ四ヶ月半!』
『そうか。それは凄いな。このこのエレキテル写真機でそなたを写してもいいかな?』
『はっはっはぁ♪なぁに心配はいらんよ。魂までは抜かれやせんから。はっはっはぁ♪』

と、こんな具合だ。

お返しにあんだーす殿の魂を抜く。
パシャ♪
『ではやなっち殿お達者で!これにて失礼!』  と、あんだーす殿は行ってしまった。

はっはっはぁ♪と陽気な笑い声を残して…。

沖縄のシーナサーフにいるとき。
よく外国人の人がショップを訪ねて来た。
その度に全身硬直し、ぜんまい仕掛けのおもちゃのようにコガちゃんやオッキーに助けを求めに行ったものだった。
それが今はこんなにも対等に渡り合えている?
これも旅で成長した事の一つなのかも知れない(笑)

さて。
数日前。  雨の降る日本海沿岸で。
と、ある情報筋からこんな情報を得ていた。



*ちょっと訳あって情報機関の名前は出せない(笑)

その情報とは。
歩き旅のKENGO君が近くにいるらしい。
と言うものだった。

実は北海道の終盤でいつのまにかあっさり抜かれ。
フェリーで青森に向かった彼は一日60㌔以上歩いたりしながら、自分の追跡を逃れていたのだ。

これは明かな速度違反であり。
追いついたあかつきには。  がつん♪と驚かせようと思っていた(笑)

そう。
今日のミッションは。  KENGO君を探す事だ。

普段は前しか見ていない自分が。
きょろきょろと周りの様子を伺いながら走ってる。
歩いていればすぐに発見出来るだろうが。
休憩でもしていたら見逃してしまうからだ。

今までのデータから彼が潜んでいそうな場所はある程度察しがつく。
が、ここでトラブル発生。

シフトチェンジのワイヤーが見るも無惨に…。



近くにあったPAに滑り込み。
荷物を撒き散らしながらワイヤー交換をする事に。





ついでに擦り減ったブレーキシューも交換だ。

手を真っ黒にしながら作業に夢中になっていると。
背後から。
『どこから来たんですか?』と声がした。

ん?と、思い後ろを振り返ると。
そこには。
さらに黒さをましたKENGO容疑者が立っていた。



あぁ!!
彼を見つけたら。
気付かなかった振りをして一旦追い越そうか?   とか。
水鉄砲でも買って後ろから撃ち抜こうか?         とか。
コーラをシャンパンがわりに盛大に振り撒こうか?       とか。

全ての悪巧みは。  彼の。
至って普通な『どこから来たんですか?』と他人を装い声をかける作戦で返り討ちされてしまった。

しかし。
飛んで火に入る夏の虫とはまさにこのことだ。
そのまま彼の身柄を拘束し今日はここから一番近い道の駅に拘留することにした♪
途中、逃げられるといけないので一緒に歩いて道の駅まで向かう。



そしてたどり着いた道の駅で今までの事情聴集を行っている。
そう言う訳で今日の調書はここまでとします♪

ではまた!

*妄想全開のブログにお付き合い下さいありがとうございました(笑)