第百二十五話  “ らしさ ” 09-12

天気予報を見て。
明日も一日雨かぁ…。  と、思いながら早めに眠りに着いた昨日の夜。

朝。  意外な天気に少し驚いた。



快晴♪

しかしオフショアがかなり強めに吹いている。
波はなさそうだなぁ。
と思い。
早起きはしたものの。  ダラダラと片付けゆっくり出発した。

昨日はなんだかんだで、雨の中を100㌔以上走り。
能代市のすぐ手前まで走っていた。

まずは海の方に出てみる。
情報を頂いていた発電所を探して見る。

最近。
自分で思うのだが。
ポイントを探し出す感覚がすごく鋭くなっている気がする(笑)
ふらふら~っと感覚に身を任せて走っていると。



自然とポイントへたどり着く。
サーフポイント探索レーダーでも備わったのだろうか。

まぁ…その話しはいいとして。
やはり強烈なオフショアで波はフラット~くるぶしくらい。



サーファーさんの姿は無く。

しばらく海を眺め。
ここで立つであろう堤防脇からのレギュラーを勝手に想像してみたりする。

さて移動だ。
今日はなんだかスピードに乗らない。
スピードメーターを見ると昨日と同じくらいの速度で走っているが。
体に感じるスピード感がない。
そもそも。
スピード感を感じる程速くないのだが。  昨日感じていた風を今日は感じない。
勢いに乗って速度が上がっても。  それを持続するエネルギーがないらしい。

まぁこんな日はのんびり行こうと、のろのろ走る。

大きな交差点で信号待ちをしている時だった。  急に耳元で声がした。
『こんちは~!』と。
びっくりして後ろを振り返ると。  もっとびっくりした。

わぁお!♪

そういえば北海道辺りで噂に聞いた気がする。
人力車みたいな自転車で走っている人がいると。
『かっこいいですね~!それ♪』と、自分。
なんだか他のチャリダーさんより、さらに親近感を感じる(笑)

道端にお互いの愛車を停めあれこれあれこれと♪



MITSUIさん。
愛車はバングラデシュのタクシー。  [リキシャ]というらしい。
写真家でもあり作家でもあるらしく。  今までに本を数冊出しているようだ。
立ち話しもなんなので。  走りながら大声で会話する。
だいたい旅の苦労は似たり寄ったり。

しばらく一緒に走り。



お互いの検討を祈りながらそれぞれの旅に戻った。

一風変わった旅人に会えた事が、なんだかすごく嬉しかった。
情報に流され。  流行に追い縋り。
自分の個性がなんなのかが良くわからない時代に。  例え他人からどう思われようと。
自分のスタイルを持っている人に出会えるのは嬉しい。
自分らしく生きる事。  それは自分に素直になればいい。
と、自分はそう思う。

MITSUIさんが書いた本を旅が終わったら読んで見ようと思う。
MITSUIさんがなにを感じ、なにを思いながら旅をしてきたのか興味が尽きない。

さて。
次の出会いはMITSUIさんと別れた直後だった。
道端に車を停めて微笑んでいる人がいる。
『前にKーSURFのHPで見ました!もうここまで!』と声をかけて下さったのはA1さんだ。



少し話しただけで。
あぁ。  A1さんも波乗り大好きなんだなぁ~♪と気持ちが伝わってくる人だった。
差し入れと、ここから先の幾つかのポイントを教えてもらった。
やはりポイントや波の情報は出会ったサーファーさんから聞く方が、よりリアルだ。
『また海で会えたら一緒に波乗りしましょうね!』とA1さんお別れした。

再び走り出すとだんだん怪しくなる雲行き。  予報がずれたのか?今夜から大荒れの予報だ。
今日は体を休めよう。  と、雨が降り出す前に宿に滑り込み。
たまった洗濯ものをぐるぐるし。

そして今はウトウトと。
なので今日も早めに眠りに着くとします。

ではまた!