バックナンバー 第二十一話~第四十話

好評連載中! ちゃりんこ日本一周 ~サーフィンの旅~ のバックナンバー日記です!
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第三十一話 “ リンク・りんく・Link ” 05-28

昨夜は道の駅で野宿。

夜。
地元のやんちゃっ子がボボボっ~と登場。
話したらすごい素直ないい子達だった。
ちょっとつっぱって見えても。
他の人と表現方法が違うだけ。
純粋な素直な子達だ。
純粋がゆえの反発なんだろう。

楽しいひと時を過ごせた♪

目が覚める。
薄明るい。
寝袋からゾンビのように這い出して。
明け方から全力で走り出す。

なぜか。

今日、ハコブンダーさんのご厚意により、この先の郵便局にタイヤが届くからだ。
ウキウキしながら走る。
順調に距離を進める。

しばらく走ると。
景色が良い場所があったので。

ガサガサッ♪
ガサガサッ♪っと
懐に隠し持っていた栗入り高級あんぱんを取り出した。

笑顔で頬張る。
むしゃ♪
むしゃむしゃ♪
そして最後の一口を頬張る。
むしゃ♪

すると背後から。
『やっと見付けました~!ちょっといいですか?』と。

んゎっ!?

びっくりして味わう間も無くごっくん。
『はいぃ長音記号1なんでしょうか?』
『さっき見かけて探してました!シュザイさせてください!』と。
『シュザイ?』
『あっ私こう言う者です。』

その名刺には【日刊熊野新聞】と書いてあった。



いつものようにパニクる。
照れながら緊張しつつシュザイを受ける。



カシャ♪
カシャ♪
と、写真も撮られ。
恥ずかしいやらなんやらで何を話したかあまり記憶がない。

ともあれ。
シュザイは終わった。
掲載される新聞を実家に送ってくれるそうだ。

ふと。
急に見知らぬ所から新聞が届いたら。
家の馬鹿息子がどこぞでなにかやらかしたっ!と勘違いしないだろうか。
と不安になった…。

しかし悪い事で新聞に出なくてよかった。
恥ずかしかったが、後でいい思い出になるだろう。

さて。
また走り出す。
ちょっと休憩。

すると。
『こないだ海南辺り走ってませんでしたか?』と声をかけられた。

彼は休みを利用して、車で北海道までの一人旅の途中だった。
チャリダーにも興味があるようで、質問の嵐♪
自分もいつかチャレンジしてみたい!との事だったので。
つんつん♪と背中を押して見た。

H君が一歩踏み出せますようにと。



さて、郵便局を探す。

観光案内所があったので、尋ねてみる。
すると丁寧に親切に対応してくれた♪
そして。
この先の地図と、お菓子まで頂いてしまった。

Sさん!ありがとうございました!



さてさて。
郵便局だ。

タイヤ届いてますかぁ?
と聞いてみる。
確認してもらうと、夕方届くようだ。

まだ3時間位ある。
ど~しよっかな♪と頭の中で作戦会議。
さっき観光案内所で頂いた市内マップを眺める。

温泉銭湯発見♪
決めた!
ここに行こう!

こじんまりとした銭湯だが安いし何より壁の富士山がリアル感満点だった。



さっぱり♪

しかしまだ時間がある。
外に出てお風呂セットをしまっていると。
番台のおじちゃんが外に来て話しかけてきてくれた。
しばらく話し。
あっそうだ!と思い。
どこか時間を潰せる場所がないか聞いてみた。

すると。
すぐそこに公園があるよ!と教えてくれた。
行ってみる。
ベンチに座る。
ふぅ。
と一息。

すると。

一目でそれとわかる人物が時を同じくして公園に迷い込んできた。
目が合う。
お互い笑う。
旅人だった。

奄美からヒッチハイクと徒歩でここまで来たと言う。



おおみ君。

『俺は決めたんです!ふざけた事を思いっ切り真剣にやってみようって!』と。
フィルム式のトイカメラでちょいとふざけた写真を撮りながら旅をしているそうだ。
自ら放浪癖があると言っていた彼の話しは面白かった。

お互いにちょっと落ち着けよっ!って位話しまくった(笑)
お互いのこれから先の健闘を祈り握手をして再会を誓う。



本当に面白い。
1億2千万人の日本人の中の二人が街中の公園で鉢合わせる。
今日の出来事の中のどれか一つでも起きなかったら無かっ出会い。

もし。
あの時あそこで栗入り高級あんぱんを食べなかったら。
H君が話しかけて来なかったら。
Sさんが市内の案内マップをくれなかったら。
すでにタイヤが届いていたら。
番台のおじちゃんが話しかけてきてくれなかったら。
つながり。

全部つながってる。
過去の全てが。
いい事も悪い事も。

もし明日。
何か悪い事が起きるとする。
そしたらこう考える。
これはきっと。
この先に起こる何かいい事につながってるんだ♪
そして自分の未来にワクワクする。

そしたらきっと。
悪い事も受け入れられるっていうお話しでした♪

ではまた!


*ハコブンダーさん!タイヤ受け取りました!
そのご厚意と丁寧で親切な対応に心より感謝します!!ありがとうございました!

 

第三十二話 “ 激走!ひとりTour de 熊野!~その先にあったもの~ ” 05-29

今日。
三重県熊野では。
ツールド 熊野が開催されていた。
世界中の自転車レース界のトップアスリート達が熊野古道で有名な熊野で【118㌔】の道のりのタイムを競い合うのだ。

そして。
それと時を同じくして。
一人の男が戦っていた(笑)
自分の限界と。

二年前。
始めての自転車旅。
地元神奈川から沖縄までの道のり。
記憶の中で一番きつかった場所。

尾鷲→熊野間
今日これからそこを走るわけだ。
熊野→尾鷲間を。
避けては通れない道。
朝から気合い十分。
鼻息荒く走り出す。

熊野から尾鷲に抜ける道は二通り。
42号線と311号線だ。
地元の人は言う。
『311号線はやめておけ』と。
42号線は前半きつい登り坂でトンネルを越えれば後は下り。
距離も近い。

311号線は容赦ないアップダウンの繰り返しに締めくくりの峠越え。
距離は長い。
さて。どちらを選ぼう。



直前まで悩む。
42号線で行こっかな~?
前半さえ頑張れば後は楽だし。
二年前を思い出せばあの道は走りたくない。

でも。
何故か彼は311号線を走り出す。
辛いとわかっていながら。
挑戦だった。
二年前の自分との。
逃げ出したくもなかった。
この先の厳しい現実から。

9時。
311号線アタック開始。

20分でへこたれる。



重い。
重過ぎる。
今からでも引き返そうか。
嫌だ。
逃げたくない。

再び走り出す。
余りにも傾斜がきつい場所はチャリを押して歩く。



イャ長音記号1!  とりゃ長音記号1!  うぉぉ長音記号1

と奇声を発しながら果てしない坂道をよじ登る。



何時間走っただろうか。
日が西に傾き始めた頃。
ようやく目的の道の駅に到着した。

きつかった。
けど。
乗り越えた。
目前に立ちはだかっていた壁を。
そして二年前の自分を。
膝はガクガク。
ハンドルを握っていた手はひりひり。
握力もない。
今日は早めにここで寝ようかと考える。

でもなぜか。
再びペダルを漕ぎ出した。
もう一つ先の道の駅目指して。
彼にもわからない。
なぜ進み始めたのか。
その時までは。

しばらく行くと。
でっかいリュックを担いで歩道を歩いている人がいる。
熊野古道の登山帰りかな?と思う。
抜き去り際に『こんにちは!』と声をかける。

すると。
50メートル位進んだ辺りで。
パンパン♪
と手を叩く音がした。
振り返る。
その人が自分を呼んでいる。

熊本のTさん。
61歳。
徒歩で日本一周をしていると言う。
これには驚いた。
いつも自分が聞かれるように、なぜ?の質問をした。
理由は教えてくれなかった。

『心に思う事があってね。』とだけ。
しばらく旅の苦労話しで盛り上がる。



お互いの健闘を祈り握手でお別れした。
『負けてられん♪』と。
疲れきっていた体に力が蘇る。

そして。
『なるほどね♪』と思う。
なぜか再び走り出した意味を。

しかしこれでは終らない。
またしばらく進むと反対車線にチャリダーの姿が。
行き交う車越しに。
『どこまで行くのぉ!』と大声で話しかける。
『屋久島です!!』と彼。
屋久島。
屋久島と言えば。
彼に伝えなければならない事がある。

彼=ケントがこっちまで来て、しばらく話す。
聞けば同郷の神奈川人だ。
笑顔がナイスな若者だった。



この先の危険箇所を教える。

逆方向から来たケントに『次の道の駅まで後どれくらい?』と聞く。
『ん~あと15㌔位だと思いますよ!』と。
そうか。
まだそんなにあるか。
暗くなる前に間に合うかどうかって所だ。

ともあれ、再び互いの健闘を祈り握手で別れる。
連続して旅人に出会い、気分はルンルンだ♪
『やっぱりそうだんだ~良かった~走り出して♪』
と少し進むと。
道の駅まで後1㌔の看板が…

ケント…。
15㌔じゃなくて15分の間違えじゃあ…
しかし15㌔が後1㌔に減ったわけだ。
ニタニタしながら進む。

すると。
真っ黒な1400ccのバイクのあんちゃんが自分の先でバイクを路肩に寄せ待っている。
またまた出会いだ。
日本中を旅したと言う彼からたくさんの情報をもらった。
思わぬ長話をしてしまった(笑)

ありがとうTさん。
そして再び思う。
さっきあそこに留まらなくて良かった。
なぜか体が動き出したのは出会いに導かれたからだ。
と理解する他なかった。

さて、道の駅まで後少し!
と走り出すと。
500メートルも進まないうちに。
黒い車が自分を抜き去った後にウインカーを出し停車した。
中から人が出て来て待ち構えている。
『なにしてる?』と渋いおじちゃんが話しかけてきた。
一目でサーファーさんだとわかった。

そう。
ここで三重のローカルサーファー。
カッパさんことUさんに出会った。
『もし良かったらレストランやってるから遊びきな!コーヒーでもご馳走するよ!』と。
場所を聞きレストランを目指す。
なぜかドキドキする。
カッパさんのただならない雰囲気がそうさせる。

レストラン到着。
お洒落な外観。
賑わう店内。
この汚い格好じゃ…
一瞬入ろうかどうか躊躇う。
でももう一度会って話したい!
そんな衝動に駆られドアを開ける。

木の温もりがする店内の所どころに昔のサーフボードや少し色褪せたサーフィンのフォトがある。



店員さんにオーナーさんいますか?と尋ねると、お店の奥からカッパさんが出て来た。
『本当に来ちゃいました(笑)』と言うと。
『ここ座りなよ!』と
お腹もペコペコだったのでカツカレーを注文。



むちゃくちゃ美味しくてあっと言う間に間食。
カッパさん。
忙しいのに、合間を見付けては自分の隣にきては話しかけてくれる。
気になって聞いてみた。
サーフィンの写真の事だ。
そこに写っているチューブライドの写真って。
『あぁこれ?これは数年前だよ!あっちは20年位前。』

カッパさんは自分が生まれた頃から波乗りをしていた。
昔の話しや現状の話し。
ここでは紹介できない話しもたくさん聞かせてもらった。
すごく心地好い時間が流れて行く。
なぜかわからない。
その人の持つ雰囲気なのか。
素直な気持ちで話しが出来る。

アイスコーヒーをご馳走になり、お土産にと三重のご当地バーガー【鯵バーガー】を持たせてくれた。





カッパさん!そしてカッパさんファミリーさんそしてスタッフさん!
本当にお世話になりました!
また三重に来れたら【カッパ倶楽部】に伺いますね!

さてさて。
昨日に引き続き。
偶然が偶然を呼ぶ。
もはや偶然では片付け切れない出来事の数々。

気付けば今日。
早朝から晩まででこの旅始まって以来の長距離。
【118㌔】を走っていた。

旅人の先輩は言う。
『意思あるところに道は開ける!』と。
そうなのかも知れない。

じゃあ。
もしも。
道が開けたとして。
その先に。
その道の先には。

何があるんだろうか。

では。

第三十三話 “ 出会い・再会・そして ” 05-30

人の縁って本当に不思議だ。

今の自分はその出会いに『ありがとう』と感謝の言葉しか言えない。
うまく表現する事ができない。

この感覚。
次から次へ。
つながって。
広がって。
宇宙みたいだ。

こうして毎日のように。
偶然に導かれる出会い。
何か見えない大きな力を感じずにはいられない。

今朝目覚めると。
朝日が山の隙間からこぼれていた。

沖縄シーナサーフをスタートちゃりんこ日本一周~サーフィンの旅~

『やばぃっ!ちょっと寝過ごした(汗)』

昨晩は。
気持ちが高ぶって寝付けなかった。
毎日のように続く信じられない出会いにだ。

さて。
先週。
徳島のあるポイントであったMOTOKIさん。
今週は伊勢に行くと言う。
何とか今日そこまでたどり着きたい。
正直。
昨日の激走で足はかなり疲れている。
膝が痛い。
力もあまり入らない。
気持ちばかりが前に進み、その後に体が着いて来ない。
もどかしい。

お昼を回った頃だろうか。
雲行きまで怪しくなってきた。
ますます焦る気持ち。
思うように進まない道のり。
一瞬、今日は諦めようか?と心に過ぎった。
『イャ~足が痛くて痛くて。今日は疲れてて間に合いませんでした!』
などと言い訳をしている姿が頭に浮かぶ。

嫌だ。
そんなのは嫌だ。
やるだけやってダメならダメで仕方ない。
全力でぶつからずに言い訳なんて。
自分に対して失礼だ。
可能性を否定したのと同じ事。
まだまだ時間はある。
諦めるには早過ぎる。
気合いと共に足を叩く。
鞭を打つように。

とはいえ。
自分の弱音と。
自分を鼓舞する気持ち。
戦いは続く。
気持ちが折れそうになれば気合いを入れ足を叩く。

端から見ればかなり怪しい。
でも、なりふり構っていられなかった。
たどり着きたかった。
葛藤は続く。

が。
そんな気持ちのやり取りが少し面倒になってきた。

無になってみた♪
なんも考えないようにしよって。
人間こうなると、出来ない理由ばかりを考え始める。
それがダメだ。
だから無になろうと努めた。

するとどうだろう。
なんも考えなくても、足はペダルを漕いでいる。
これを本能とでも言うのか。
本能が進む事を望んでいると都合良く解釈。。
気持ちが楽になってきた。
勝手に動く体に自分の気持ちを重ねた。

いくぞぉ~!♪
と。
走りながら。
歌を唄い。
お菓子を食べながら。
遠足気分で。
心の中がごちゃごちゃしてしまったら。
なんも考えなきゃいい。
あれこれ考えても仕方ない事があるもんだ。

さて。
途中差し入れを頂いたり。
車を停めて声をかけてくれたサーファーさんに道を尋ね。
どうやらポイントが近い。
サーファー仕様の車が行き交う。

信号待ちで目があったサーファーさんに。
『こっちであってますか?』と聞いてみる。
『真っ直ぐ行って右だよ!』と。
待ち合わせのポイントが近づく。
最後の力を振り絞ろうとすると。

ぷっぷっ~♪
キキィ長音記号1
バタン。
車から人が出て来た。
『覚えてるぅぅ!?』
『あぁぁ!!!!』
有り得ない再会だった。

去年。
沖縄のシーナサーフにいた頃。
ポイントをガイドしたSさんだった。

こんな事ってあるのだろうか。
いつものポイントが大会で規制が入っていたのでこの辺りをウロウロしていたそうだ。
何はともあれ、びっくりだ。
世の中広いが狭い。

沖縄であったSさんと三重で再会♪



昨日に引き続き。
やはりこれも偶然なのか…

かなりハイテンションで待ち合わせ場所へ向かう。
駐車場の奥で手を振って合図してくれている。
辿り着く。

MOTOKIさん軍団?に迎えられる。
こないだ会ってから一週間。
もっと前から知っていた気分だ。

ショップやチームのステッカーをたくさん頂く。



どこに貼ろうかは考え中♪
周りにはMOTOKIさんの知り合いだらけ。

次々に声をかけられ楽しい時間が流れる。



一人旅。

でも一人じゃなく。
出会った人達に応援され。
繋がっていく。

人の縁って本当に不思議だ。
今の自分はその出会いに『ありがとう』と感謝の言葉しか言えない。
うまく表現する事ができない。

この感覚。
次から次へ。
つながって。
広がって。
宇宙みたいだ。

こうして毎日のように。
偶然に導かれる出会い。
何か見えない大きな力を感じずにはいられない。

さてさて。
明日は伊勢で波乗りを楽しみたいと思います!
皆さん!お邪魔さますね!
あぁ長音記号1楽しみ楽しみ♪

ではまた!

第三十四話 “ ちっぽけな自分 ” 05-31

今日はサーフィンができる!!

辛い峠も雨も風も。
この為に乗り越えて来た。
どんな波だっていい。
サーフィンができれば。
それでいい♪

朝からペダル全開でポイントまで走る。
どこで入ろう。
ウロウロしていると。
海をビデオカメラを向けている人がいる。



聞いてみると、『弟が波乗り修行中やからな』と。
『波がもうちょっとよければ俺も入るんやけどな~』と。
自分はサーフィンが出来る事で興奮気味。
そのテンションでマコトさんと話していたら。
『やっぱ俺も入ろうっ!ちょっと着替えて着ますわ~♪』と。
何だか何かを伝染させてしまったようだ(笑)



準備運動をして『いただきま~す!』と海へ。

千葉の飯岡に似ている。
水温が思ったより低めでガタガタっブルブルっ。
寒っ。
どうやら沖縄で寒さに弱くなったらしい。

先にポイントに入っているサーファーさんに『おじゃましま~す♪』と言うと大抵笑顔で返してくれる。
一週間ぶりのサーフィンだ。
全力で楽しむ。
厚めの波にへなちょこパドルで挑む。

乗れない。
でも楽しい♪
マコトさんも海に来て少し一緒に波乗り♪
楽しい時間を過ごした。

『ごちそうさまでした!』
海から上がる。
まったりしていると。
海岸で流木やガラスを集めている人がいる。
近くに来たので話しかけてみた。

『魂が抜かれるから写真は嫌だ。』と撮影NGだったが印象深い人だった。
素敵な話しも出来た。
その昔このポイントはテトラがなく最高の波が立ったそうだ。
しかし、近くに駐車場やトイレの設備がなく近隣の方達に迷惑がかかったと言う。
その頃はサーフィンというものが理解されなかったのだろう。

そこで。
波があるからサーファーがくる。
波がなければサーファーは来ない。
テトラ投入。
と悪い方向に力が働いてしまったようだ。

おじさんは。
人間ってのはダメだな。
わがままで。
自分勝手な生き物だ。
と言った。

昔。
山が好きで日本中の山に登ったという。
今から40年前バイトしながら各地を転々と。
おじさんは言う。
『多分わしが日本人初のフリーターだな(笑)』と。
自然が好きな人の共通点。

謙虚さ。
自分の小ささを知っている。
自分を卑下するわけではなくだ。
自然の中での自分の小ささをわかっているから。
謙虚であり、見栄も張らず。
威張りも、急ぎもしない。
すべてに感謝し、受け入れる。

自分もそう在りたい。

街で見かける。
信号が変わりおばあさんが横断歩道を渡ろうとする。
そこに左折車。
綺麗な女性が運転している。

しかし。
おばあさん。
そんなに早くは歩けない。
車の女性に目をやる。
しかめっつらでハンドルをトントン指で叩きイリイラと。
あげくの果てに。
横断歩道歩道ギリギリまで車を進める。

おばあさんを煽る。

人は。
見た目の綺麗さじゃない。
心の綺麗さだ。
そんな場面に出合うと。
やりきれない気持ちになる。
我先に我先にと。
何故そうなってしまうのか。
人を思いやる気持ち。
旅をしているとたくさんの優しさ、親切な心に触れる。

そして。
それに感謝する。
『みんなで仲良くゆずりあいましょう。』
『皆に親切にしましょう。』
『優しくしましょう。』
『困っている人がいたら助けてあげましょう。』

『思いやりを持ちましょう。』
『自然は大切にしましょう。』
『ゴミは捨てないようにしましょう。』

全部小学生の頃に習ったことだ。
忘れてしまうのだろうか。
大切な事を。

昔。
ペイ・フォアードという映画を見た。
素敵な映画だった。
皆さんも機会があれば見て欲しい。

若干話しが反れた。
さてさて。
そろそろ移動しなきゃ。
ペダルをこぎ始める。

しかし。
途中で無性に眠くなった。
と、
グッドタイミングで景色のいい休憩所を発見。



一休みする。  再び走り出す。

ん?
と思い。
地図を確認。
どうやら道を間違えたようだ。
かなり遠回りしてしまった。
しかし。
まただ。
この何気ない出来事が次に繋がる。

再び走っていると。
抜き去る車の中から子供がカメラを自分に向けている。
調子に乗ってポーズをとる。

カシャ♪
そして通り越した後。
車が停車した。
運転席から男の人が降りてきた。

『カッパさんから話し聞いたよ!』と。
ん?何事だ?と一緒パニクる。
こう言う事だった。

Mさん。
この辺りでおそば屋さんをしているらしい。
そこに一年半振りにカッパさんが現れ、こんな奴がいたよとMさんに話しをしたようだ。
そして。
ブログの事を聞いて、ついさっき読んでくれていたようだ。
で。
そして偶然(?)今ここで出会ったわけだ。

ぞくぞくっ!
鳥肌が立つ。
昨日までは出会の連鎖が不思議でならなかったが。
不思議を通り越した。
これはもう。
出会いに感謝し、素直に受け入れるのみ。
この鳥肌のように。
感覚的にそう思えた。

Mさんの息子さん。
毎日毎日波乗りをしているらしい。
学校前と学校の後に。

ちゃん&嵐の国府の浜サーフィン日記
(携帯からなのでリンクはれませんあせる)
同じくアメブロでブログを更新されているようだ♪



この子達。
間違いなく。
自分よりサーフィン上手何だろうな~と。

でも!
でもでも!
サーフィンが好きな気持ちは負けないぞ~(笑)

今日こうして出会えた事。
そのきっかけを作ってくれたカッパさん。
いや。
まてまて。
カッパさんだけではない。
今まで出会えた全ての人達だ。

このたくさんの出会いの中の内、一つでも欠けていたら今日の出会いはないわけだ。
だから皆さんに感謝します!
自分にたくさんの出会いを作ってくれる。
皆さんに。
感謝します!

ではまた!

~三重県志摩より~

第三十五話 “ 踊るあほぅに見るあほぅ ♪ ” 06-1

AM2:38

パラパラ。 → ポツポツ。  → ザーザー。 → バシバシバシバシッ!
と。
突然の大雨。
驚いて飛び起きるも。
こんな状況にもなれてきたのか。
風向きと地面の傾斜を確認し、雨のあたらない場所へ移動。

朝までぐっすり。

目が覚める。
まだ雨はあがらない。
東の空は薄明るい。
少し待てばあがるかも。
と、雨宿りをして時間を潰していると。
昨晩も話した青森から来た田中さんがやって来た。

田中さん。
一目見て善人とわかる生き生きとした表情と、笑顔の人だった。
話しも面白く、夢中になって話すのでついつい引き込まれる。

田中さんも旅をしている。
定年退職し、ある目的の為にだ。

田中さんが旅する目的。
それは40数年前の自分を辿る旅。
田中さんは学生時代に自転車で日本一周。
その時撮った写真を頼りにその場所を探し出し。
同じ場所。
同じ角度でシャッターを切る。

40年前と今と。
変わらないものと変わり行くもの。

この話しを聞き。
素敵だ。
すごい素敵な話しだ!
と思った。



ふと考える。
40年後。
自分が今進んでいるこの道のりを再び歩む。
その時。
一体どれだけのサーフポイントが残っているのかと。
何だか不安になった。

田中さんと話していたら雨が上がって来た。
そろそろ出発だ。
今日は鳥羽からフェリーで伊良湖へ渡る。

伊勢湾フェリー。
今存続が危ぶまれている。
署名活動に微力ながら参加。
このフェリーには思い出がある。
何とか存続して欲しい。
40年後もその先もずっと。
*もし皆さんも理解と機会があれば署名活動に参加して欲しいなと思います!。
一人ではどうする事も出来ない事でも。
みんなで力を合わせれば。
もしかしたら道が開けるかも。

さて。
伊良湖へ到着。
ここからだ。
ここから信じられない事が起きる。
しばらくフェリー乗り場周辺で地図探し。
もらえる地図が見当たらなかったので壁に貼ってある地図をデジカメで高画質撮影。
必要な時にこの画像を見れば地図はいらない。
あちこち見て自転車へ戻る。

と。
そこに。
一人の男性の姿が。
『KAMONといいます!連絡をもらって!』と。
【Bali High】サーファーさんでこのチームの名前を知らない人はいないだろう。
特に伊良湖では。
そのBali Highの副会長。
KAMONさん自らが自分をフェリー乗り場まで出迎えに来てくれたわけだ。

例の如くパニクる。
しかも、ステッカーやチームジャンパーまで頂いてしまった♪
実はこの出来事には二つの力が加わっている。

大阪のMOTOKIさんとサーフィン@マガジンのBUMPさんの力がだ。
伊勢でMOTOKIさんにあった時に驚くべき話しを聞かされた。
『Bali HighのMさんに連絡しておくから、伊良湖着いたらロコポイントに行きなね~♪』

と。
この話し聞いた時の自分の驚きようは想像にお任せする。
それはそれは酷いものだった(笑)

そしてサーフィン@マガジンのBUMPさん。
自分のフェリーの時間を聞いて、Bali Highさんに連絡をしてくれていたわけだ。

サプライズ♪
ひっくりして、心臓止まっちゃいますから(笑)
そして。
さらに。
ビール飲むか♪
とKAMONさん。

お天道様の高い内から海を見ながら乾杯♪



さらに!
近くのおばちゃんの営むお店で。
大アサリとラーメンと○ールをご馳走になってしまった。





これがすごい美味しくてびっくり!!
皆さんも伊良湖に行ったら先端のおばちゃんのお店で大あさりとラーメンをぜひ!
お腹いっぱい幸せいっぱいになっていると。
これまたBali HighさんのYUKIさん合流。



すご~く楽しい時間を過ごさせて頂いた。
KAMONさんYUKIさん本当にありがとうございました!!

その後。
なぜか(?)ふらふらしながら少し移動。
そして今度はサーフィン@マガジンのBUMPさんと初合流♪



夕方から日がくれるまで色んな事を話した。
この先の自分の進むべき道のヒントがたくさん隠れている気がした。

またしても。
ご飯をご馳走になってしまった♪



BUMPさんまた会いましょうね!ありがとうございました!
MOTOKIさん!
本当に感謝します!

さてさて。
明日。
一体どんな事が起きるのか…
期待と不安?が入り混じる。
踊るあほぅに見るあほぅ♪
同じあほなら踊らにゃ損♪損♪

この出会いに感謝しつつも。
驚いてばかりでなく。
もうこれは。
楽しまなきゃ損♪損♪です(笑)

ではまた!





 

第三十六話 “ 長い長い一日 ” 06-2

AM4:30起床。

朝日が昇りだしている。
今日はいい天気になりそうだ!



荷物を片付けロコポイントの駐車場に行ってみる。
すでにたくさんの車が停まっている。
駐車場をうろうろと進んでいると。
『おっ!来た来た♪』と。
『リアカーの人が来るからって連絡あって!』とBali Highさんだ。

皆さんものすごくいい人だ。
なぜいい人か?
見ればわかる。

笑顔だ。
混じりっけのない笑顔。
実は少し緊張していたがすぐにほぐれる。
挨拶をする。
しばらく質問攻め♪
迎え入れて頂いた感でいっぱいだ。
そうこうしていると。
誰かが言う。

『入らないの?』と。
『入ります!お邪魔させてもらいます♪』と自分。

支度をする。
皆さんはすでに海へ向かっている。
早朝にも関わらず大勢のサーファー。
活気のあるポイント。
堤防よりにBali Highさん達の姿。

近付く。
隅っこで波待ち。
様子を見る。

見る。  見る。

近付くにいるサーファーさんには手当たり次第に挨拶。
Bali Highさん達が声をかけて来てくれる。
和やかそうな空気の中に少しの緊張感が混じる。
絶妙の雰囲気。

しかし。
自分はすでに飲まれていた。
その雰囲気に。
緊張でガチガチする。
もう、どの波に乗っていいやらわからない。

何本かトライし少し乗れた。
でも緊張感はとけない。
むしろ増す。

そうこうしていると。
一人の男性が自分に近付いてくる。
始めてお会いするが、見た瞬間にわかった。

Mさんだ!!
自分の真横に来て。
『良く来たね!』と笑顔で手を差し出してくれる。

海の中で握手する。
その手の力強さ。
朝日がMさんの後ろに位置し、その存在感を更に増長させる。

この光景。
一生忘れない。
まるで映画のワンシーンだった。

そして。
『気遣わんでいいから!楽しんで!』と言ってアウトに向かって行った。
一番奥へ。
場にいい緊張感が走る。
最初に来たセットを掴み波に乗って行くMさん。
どこにも力が入って無く、リラックスしたライディング。

見入ってしまった。
波に乗りアウトに戻る時。
わざわざ遠回りして自分の近くに来て。

『遠慮はいらんよ~』と。
遠慮している訳では無かった。
今ここで、こうして同じフィールドに自分がいる事が信じられず、波に乗るって事を忘れていた。
今この瞬間瞬間を脳裏に刻み込もうと必死だった。

東から上がる朝日。
Mさんを三角形の頂点としたラインナップ。
冗談と笑顔が飛び交う皆さんにとってのいつもの光景。
その片隅でこのロコポイントの歴史の深さを体感していた。

しばらくそんな時間が続いていた時。
『あの辺のが乗れるよ!』とYさんが声をかけてくれる。

目が覚める。
『はい!ありがとうございます!』と、ポイントを少し移動。
すると。
次の瞬間。
波が来た。
誰も乗ろうとしていない。

来た!  来た!

と、緊張しながらもテイクオフ。
レギュラーの波に乗る事が出来た。

ゾクゾクした。
乗れた。  乗れた!

自分にも波が巡って来た事に感謝した。
再び沖に向かうと。
『いきなりいい波来たね~』とYさん。
照れながら『ありがとうございます!』と答える。
もうこれで十分な気分だった。

その後波待ちをしていると。
不思議な雰囲気を持った人が声をかけて来てくれた。
Fさんだ。
『朝飯くった?カレー食べにこない?』と
朝食に誘ってくれた。

Fさん。
ロコステーション内のサーフショップ【BeachGardenSurf】のスタッフさんだった。
『じゃあラスイチで!』
次の波であがろうって意味だ。

すると。
その会話を聞いていたベテランサーファーさんが。
『じゃあ次の波は君に譲ろう♪』と。
粋な計らいだ。
そして『ほら!来た!』と。
慌ててパドルする。
しかし乗れず…
苦笑いの照れ笑い。
そして次の波にのり岸へ
向かう。

岸から挨拶をしようとすると。
さっきのサーファーさんがこっちを見て笑いながら手招きしている。
慌てて戻る。
『ラスイチがあれじゃぁ勿体ない(笑)』と、もう一本乗って行けと言うことだ。
そして次の波も譲って頂き波に乗らせて頂いた。

こうしてラスイチ?の波に乗り一旦ロコポイントを後にする。

こんな温かい雰囲気のポイントは今まで無かった。
始めて来た自分に声をかけてくれ、波を譲ってくれる。
このポイントが育んで来た素敵な文化だ。
日本中のポイントがこのロコポイントのような雰囲気だったら。
そんな事をふと思った。

海から上がる。
『すぐ近くだから♪』とウェットのままFさんの家に向かう。
この人の雰囲気。
一体何だろう。
と考えながら自転車で走る。

目力がハンパない。
べたな表現だが、澄んでいて、吸い込まれそうな感じだ。
それでいて力強い。
ご自宅にお邪魔し、会話をすると理解できた。
この人には一点の曇りも無い。
ただ純粋に波乗りが好きで好きで仕方ないのだ。
ハワイに来たかのような雰囲気の部屋でカレーとサラダとスイカをご馳走になる。

更に。
自分も旅先で色んな方に親切にされたからと。
お米大量&野菜&スイカ(大)半分を頂戴してしまった。
ショップを開けるから先に行くけど、ゆっくりしていって!と言って自分に鍵を預けて行ってしまった。

身支度を整へすぐさま後を追う。
すぐにショップに顔出す。
いた。
感謝しきれない気持ちを込めお礼を言った。

Fさんありがとうございます!
そしてオーナーさん。
ステッカーありがとうございました!

さて。
駐車場へ戻る。
休憩の為に海から上がっていた方に『もう入らんの?』と。
『入ります!』と自分。
こうして2ラウンド目はメインを外した場所で楽しませて頂いた。

海から上がり駐車場へ戻ると。
Mさん始め、Bali High水曜Memberさん達が椅子やテーブルを並べ待っていてくれた。
『早く、早く!みんな君をてぐすね引いて待ってたんだから!早く着替えておいで!』とMさん。
そして輪に加わる。

即ビール♪
そして乾杯♪
BBQが始まった。

すでに緊張は無かった。
皆さんが自分を受け入れてくれている事が嬉しかった。
さらに大御所のマウンテンさんが加わり場の雰囲気が更に明るくなる♪
たくさんご馳走になりたくさん飲んだ♪

楽しかった。   嬉しかった。   ありがたかった。

難しい言葉ではかえって表現出来ない。
純粋に皆さんと同じ楽しい時間を共有出来たこと。
この旅での思い出の宝物がまた一つ増え、心に刻まれた。

そして時間を置いて3ラウンド目突入♪
波に乗れなくてもいい。
海の中でも皆さんとの時間を共有したいと言う気持ちで海に向った。

楽しかった。
すっかり変な緊張感も無くなっていて、何本か波にも乗れた。
ふざけあい冗談をいいながら楽しそうに波乗りをしている皆さんの姿を目に焼き付けた。

皆さんもそろそろ帰路に着く。
お別れだ。
一人また一人と家路に着く皆さんと握手をした。
今朝、海の中でMさんと交わした握手のように力強く。
こうして、密度の濃い充実した長い長い一日が過ぎ去ろうとしていた。

~Bali Highの皆さん。
これしか言えませんが。
本当に本当にありがとうございました。
こうして今日。
ご一緒させて頂いた事に感謝します。~

自転車日本一周サーフィンの旅-DVC00228.jpg

*残りの画像は別でアップします!

~~~~~~~~
そして。
その後の出来事♪

Bali Highさんとの出会いの余韻に浸っていると。
『オッキーの師匠のやなっちさんですか?』と突然声をかけられた。

シーナサーフの頃から話しは聞いていた。
伊良湖中心に活動している、J君とえら呼吸君だ。
こうして今日この場所で出会う事が出来た。
二人とも、ものすごく好青年で心と志しを持っていた。

会えてよかった。
本当に。
彼らのHPを紹介したい。
見ればきっと伝わると。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~ir5-rb-j/

夜10時も過ぎた頃。
今日起きた出来事全てを書き残そうと旅日記を書いていると。
『やなっち?』と誰かの声がする。

だっ誰?
と思っていると。
Yさんだった。
こんな遅くにわざわざ戻って来てくださり、プレゼントと言って日差し対策グッズを持って来て下さった。
涙が出そうだった。
ぐっと堪えた。
涙でお礼は言えない。
人の優しさ温かさってなんだろう。
自分に親切にしてくださる方は旅をしたことのあるかたが多い。
旅行ではなく旅。
旅の楽しさ、辛さ、その気持ち、感情を知っているから。
旅先で受けた親切や優しさ。
その時は感謝の気持ちを言葉で伝える事しか出来ない。

だから。
だから自分の日常で旅人を見ると。
その時の。
親切や優しさに触れた時の気持ちを思い出し。
例えその本人でなくとも。
何かしらの形で恩返しをしたいと思うのだろうかと。
ならば。
皆、この気持ちを持っているはずだ。

Life is a Journy
すべての人が旅人だ。
例え形ある旅はしなくても。
それに気付けば。

きっと。

世界は変わる。

きっと。

*更新が遅れました。書きたい事がたくさんありすぎて。最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

画像を文中にいれられずごめんなさいです(>_<)

6月2日の画像です♪
 

第三十七話 “ 行ってきます ” 06-03

今朝4時に起きようとしつつも。
5時起床。

海を見ると波がある♪
すぐに着替え海に行く。
ビーチに着くと。
昨日波を譲ってくれた粋なおじさんがいる。
駆け寄って挨拶。
サーファーさんの笑顔は何でこうも爽やかなのか。
清々しい気持ちで海へ向かう。

『いただきます!』
海に入る。
波をくぐる。
しゃきーんと体が目を覚ます。
自分にはちょうど良いコンディション♪

楽しい!
やっぱりサーフィンは楽しい♪
自分に巡ってくる波との一瞬の駆け引き。
それがどんな波でもいい。
どこからか大海原を旅して来た波と。
自分と。
今ここで巡り逢えたんだから。
一期一会と同じだ。
その出会いに感謝しよう。
最近はそんな風に考えながら波乗りをしている。

しばらく波との出会いを楽しみ。
お腹いっぱいになり。
『ごちそうさまでした!』
と海からあがる。
着替えを済ませ片付けていると。
『あっ!おったおった♪』とBeachGardenのF君。
探してくれていたようだ。
『はいっ!朝ごはん。』と言って肉巻きおにぎりヘビー級とオレオを差し入れしてくれた♪

ここに着いてから本当にF君にはお世話になりっぱなしだ。
のんびり海を眺めながらあれこれ話す。

サーフィンの旅

彼との会話は心地好い。
厚かましい言い方かも知れないが、昨日始めて会ったとは思えない。
彼自体がリラックスしているから不思議とこちらも自然体になれる。

ぐぅ~。
お腹は正直だ。
美味しそうなおにぎりを前にして堪え性が無くなっている。
『いただきます!』

日本一周サーフィンの旅

手の平いっぱいのおにぎりを頬張る。
美味しい♪
海をみながらあっちこちに飛ぶ話し(笑)

『コーヒーでも飲まへん?』と。
ショップの方に招いてくれた。
辺りは散らかしっぱなし…
片付けたら行きます…
と、片付けを始める。

そうこうしていると。
YUKIさんから聞いて来ました!と一人の男性が差し入れを持って来て下さった。
きんちゃんヌードル♪

日本一周サーフィンの旅

何か青春を感じる素敵な差し入れ!
お名前を伺い忘れてしまいましたが、本当にありがとうございました!
あの後いい波のれたかなっ♪

さて。
さてさてやれやれだ。
BeachGardenに向かおうとすると。
ガリゴリグリっ!
と怪しげな音がした。

ん?   むむむ?    なんだ?

すぐにわかった。
防犯チェーンを外し忘れそのまま走り出してしまい、後ろタイヤのギア部分にチェーンが絡まってしまっていた。

ふぅ。   まったく。

最初はすぐに外せると思った防犯チェーン。
これが。
意外に複雑かつ、がっしりとギアの辺りに絡みついている。
格闘10分。
何とか外れたものの。
その代償として。
両手の平がギアに塗っていたオイルで油まみれの真っ黒ギトギトに。

苦笑い。    するしかない。

その光景を見ていたサーファーさんも自分と目が合い苦笑い。
わずかに残った白魚の手の一部分でハンドルを操りF君の所まで。

ほら♪
と、F君に手を見せると大爆笑。
でもすぐさま洗剤を持って来てくれた♪
20分の格闘の末なんとか白魚の手の面影が甦る。

それなりに綺麗になった手を見て思う。

なぜ。   なぜ…
なんで写真を撮らなかったかと。
この旅始まって以来の後悔の念にかられる(笑)
このことはもう忘れよう。

さて。
なんて贅沢なんだろうか。

日本一周サーフィンの旅

海上がりに海をみながら煎れたてのコーヒーを頂く。
のんびりとした時間。
居心地が良く自分が旅をしている事を忘れてしまいそうだ。
このままここに。
そんな気分にさえなりそうな場所だった。

でも行かなければ。
F君にお礼を言い出発することを伝える。
『絶対またどっかで会うよ!そんな気がするもん。』と。
自分もそんな気がするし、また必ず会いたいと。

いつもは。
ありがとうございました!と、お礼を言って出発する。
でも今日は違った。

なぜか。    『行っ来ま~す♪』と言った。

行って来ます。  行ってらしゃい。    ただいま。    お帰りなさい。

そういう事だ。
ここにはまた必ず来るだろと。
いや。
また必ず来たい。
たくさんの笑顔に会いに。

さてなんだか久しぶりの移動。
日差しが強い。
途中。
一休みしながらオレオ♪

日本一周サーフィンの旅

また一休み。    一休み。   と休んでばかり(笑)

すると。
『あぁ~!』って感じで自分を見ている人がいる。
Hマンさんだ。
『やっと会えた~!嬉しい!』と。

な・な・なんだこの反応は。
どう言葉を返して言いやらわからない。
大分前から自分のブログを見て下さっていたようだ。
そして何度かニヤミスもしていたらしい。

そして今日。
ばったりお会い出来たわけだ。
自分の事を知っている自分の知らない人に会う感覚。
なんだか不思議な気分だった。

縁があれば。    自然と。    偶然に。     出会えるものだ。

Hマンさんお会い出来てよかったです!



訳ありの為サングラスHマンさん(笑)

夕方目的地到着。
海をみる。

日本一周サーフィンの旅

波がない。
まぁいい。
波があれば波乗りを。
なければ無いで旅をする。
ほら!そしたら。

また出会えた(笑)
50歳の日本一周チャリダー。

日本一周サーフィンの旅

ドンさんに(笑)

あっ!そう言えば。
祝2000km♪

日本一周サーフィンの旅

ではまた!

 

第三十八話 “ アルバイト ♪ ” 06-04

昨晩。
愛知と静岡の県境にある道の駅で野宿していたら。

なんと!
この旅始まって依頼の職務質問♪
色んなチャリダーに噂を聞いていたのでなんだかうきうき♪
大抵。
事情を説明し免許証を見せれば大丈夫らしい。

パトカーがライトをこちらに向けて停車。
おっ!  きたきた!
と、お巡りさんが来る前に免許証を用意。
こんばんは~と言いながら免許証を手渡した。

あまりの手際の良さに呆気に取られるお巡りさん。
『なんだ。(職務質問)始めてじゃないな(笑)』と。
『いやいや。始めてです!』何だか楽しくて仕方ない♪
『で、どこから来たの?』
『沖縄です!』
『え~!沖縄から来て今まで(職務質問)なかったの?』と。

免許証をみてどこかに連絡をとっている。
話しが終わったようだ。
免許証を返してくれた。
不審だが不審者じゃないとわかると。
『この先は交通量も多いし気をつけてね!』と。
さすが市民の味方だ。
そのまま走り去って行った。

まだ興奮冷めやらない自分。
悪い事をしている訳じゃないんだから。
堂々てしていればいい。

そうして深夜1時に眠りに就いた。

暑い。
暑さで目が覚めた。
朝日が高く上がっている。
7時だ。
雲一つない空。
今日も暑くなりそうだ。

すぐ目の前のポイントへ
波が無い…。
いやいや。
これだけ広い海外線だ。
きっとどこかで。
と、海沿いの道を波を求めてさ迷う。



さ迷う。
時には行き止まりになり。
橋の下もくぐり。



浜名湖を越え舞阪へ。

ポイントを探す。
メインと灯台前を移動して見比べている間に。
オンショアがカンガン吹いてきてしまった。

え~い。
今日はもう諦めよう。
そう思った。
そうだ。
こんな天気のいい日はリペア日和♪
駐車場に荷物を撒き散らしリベア開始。



暑い。
日差しが半端ない。
クラクラしながらリベア完了。
旅のお供のボード君だ。
たまには、いたわってあげなくては罰があたる。

なんとかリペア終了。
さて。
どうするか。
そうだ!
港にいる猫達を見て思い出した。

くろねこ停♪
浜松にあるレストランだ。
沖縄で浜松のくろねこ停のマスター(サーファーさん)とお会いした事を思い出した。
夢である旅の話しをしたら。
『静岡に来たら連絡してね!』と、連絡先を聞いていた。

覚えてるかな~。
迷惑かな~と考えながらも連絡してみた。
そしたら。
『おぉ!そうか!早くおいで♪』と、快く迎えてくれた。
近くまで迎えに来てくれて、お店に到着。
浜松のくろねこ停のFさんとNさん。
『今日は泊めてやるから、バイトな(笑)』

バイト?
今日は予約がたくさん入り忙しい日だったようだ。
これも何かのタイミング。
と言う訳で。
お洒落な店内でこれからアルバイトです♪







働かざるもの泊まる可からず。
一泊させていただく代わりにこれから一生懸命働きます!

ではまた!

*コメントやメッセージ、読者登録やペタをしてくださる皆さん。いつもありがとうございます!
返信やお礼が中々出来ませんが、いつもとても嬉しく励みになっています!
この場をお借りして。
皆さんいつもありがとうございます!


 

第三十九話 “ 三年後の演奏会 ” 06-05

昨夜は慣れない手つきでカウンターに立ち(笑)



バーテンさん見たいで楽しい時間を♪

営業後。
夕食にと、めちゃめちゃうまいカレーライスを頂いた♪





しかもデザート付き♪
そのまま浜松のくろねこ停Fさんの計らいで、ビルの3階にある空き部屋に寝かせて頂いた。

いつも思う。

屋根。  壁。  水。
どれも普段の生活では当たり前のものだ。
そう。
当たり前の。
でもこんな旅をしていると。
それがとてもありがたい。
屋根は雨を避け。
壁は風をかわす。

そして水。
これがなければ生きられない。
無くなって始めて知る有り難み。

しかし。
普段の生活では当たり前でも。
無くなっても困らない物もたくさんある。
そこで気付く。
普段の生活の贅沢さ。
その贅沢な暮らしにすら慣れてしまう人間。

さて。
今日は。
種子島でお会いしたHさんと会う約束が♪
もともと。
屋久島行きのフェリーが一緒だった大阪のご夫妻の弟さんだ。

不思議な縁だ。
『静岡着いたら連絡してね!』とHさん。
昨日のくろねこ停のFさんと同様だ。
こうして今日。
種子島で偶然お会いしたHさんと静岡で再会したわけだ。
種子島で会ったのが約一ヶ月前。
自分的にはもっともっと前に会った気分だ。
それだけ充実した濃ぃい毎日だった。

逆にHさんは久しぶりに会った気がしないと。
『毎日ブログを見てるから一緒に旅してる気分だよ♪』と。
『お腹空いてるやろ!』と、うな重をご馳走になってしまった。



そして大阪の姉さんからと頂き物までしてしまった。
Hさん。

以前にこんなメッセージを下さった事がある。
『毎日君のブログを読んでいたら、なんだか羨ましくなって来たよ。自分が毎日いかに時間を無駄に過ごしているか気付かされた…』と。
同じ話しを同級生の幼なじみにしたそうだ。

そして。
『自転車の旅は無理だけど、俺達もなんかしよう!!』と言う話しになり。
バンドを組み、3年後の60歳で集まる同窓会で演奏しよう!!って事になったと嬉しそうにニコニコ話してくれた。
その笑顔、生き生きした雰囲気が印象的だった。

何だかすごく嬉しかった。
自分がきっかけを作れた事に。
こんな自分でも。
誰かの何かの役にたてた事が。
キラキラの子供のような笑顔に会えた事が。



気付く事。
何かに気付く事は大抵の人は出来る。

でも。
行動に移せる人が少ないわけだ。
考えてたって何も始まらない。

一歩。
動き出すこと。
これが1番大事だと思う。
Hさんと別れた後も嬉しい心が満たされていた。
この可能性に。

そう。
もしかしたら。
誰かの。
何かを変える。
きっかけになれる可能性。

足取り軽く進む道。
ショップにより情報収拾も欠かさずに♪



GUNさんの作っているフィン。


カッコイイ!

延々と続く海沿いの道。




今日は海辺でキャンプしよう!



波の音を聞きながら。
明日の波との出会いに期待して♪

では!

第四十話 “ ワクワクセンサー ♪ ” 06-06

昨晩は波の音を聞いて眠りに就いた。

外は真っ暗闇。
セットだろうか。
時折大きな波の音がする。
日中吹いていたオンショアがピタッとやんでゆるいオフショアになっている。
『波よ明日の朝まで残ってくれよ!』
と、祈るような気持ちで眠りに就いた。

朝、目が覚める。
外は薄明るい。
耳を澄ます。
波の音が聞こえる。
慌ててテントから這い出し海を見る。
風はそのままゆるいオフショア。
ひざ位の波が一生懸命岸に向かって崩れている。



『よし!入ろう!』

一晩オフショアに吹かれながらも何とか残ってくれた波だ。
着替えを済ませ海へ向かう。

『いただきます!』
例え小さな波でも今ここで、こうして巡り合えた。
無駄には出来ない。

誰もいない海。
東から昇る朝日。
心落ち着く最高の時間だった。

さて。
朝食をとり移動開始!
と思ったら。
走り出してすぐに。
自分のワクワクセンサーが反応した。

急斜面の壁で何やら楽しい事をしている人がいる。





近づくと。
向こうから声をかけてくれた。
NOBUさんだ。



朝一波乗りをして、スケボーで遊んでいるところだった。
地元のおじちゃんを交えながら2時間位話し込んでしまった(笑)

途中。
近くのサーフショップで働いている安田さんとも出会った。
これからサーフィンスクールだと言う。



この少年。
少し緊張気味だが。
スクールを終え海から上がった後はニコニコしているに違いない♪
目に浮かぶ。

安田さんが別れ際に。
『ショップすぐそこだから行ってごらん♪ウインドサーフィンの世界チャンピオンが店番してるから!』と。

またまたワクワクセンサーが反応。
地元のおじちゃんが教えてくれた近道?を進んでいると。
ぷっぷっ~♪
車のクラクション。
『やなっちでしょ!』と突然声をかけられびっくり!
ウインドサーフィン&サーフィンチーム
ハイテンションのハイテンさんとモモレンさんだった。



どうやら、伊良湖で会ったHマンさんのお知り合いのようだ。
度重なる偶然に。
笑いが止まらなかった(笑)
だって。
あの時ワクワクセンサーが反応していなければ今この道を走っていなかった訳だから。

つくづく思う。
この出会い不思議さを。
最近自分のブログを見て下さっている方に出会う機会が増えて来た。
『いや~ブログを見てやなっちに会いたいな~ってずっと思ってたんだよ!やっぱり思いは通じるもんだねぇ~』とハイテンさん。
まず出会えた事。
そして、そういう風に思ってくれる人がいるって事に驚くばかりだ。

最初は一人寂しくなったり辛いこともあったこの旅。
でも今は違う。
家族。  友人。  出会った人。   ブログを読んでくれている人。

みんなと一緒に旅をしている。
これはもう自分だけの旅ではない。
なぜだかそんな気がしている。

さて。
ハイテンさんとモモレンさんとお別れしショップを目指す。

あった!
『こんにちは~安田さんに聞いて来ました!』とお店に入ると一人の女性がそこにいた。
日焼けしていて屈託のない笑顔。



海好きな人の特徴だ(笑)
MOTOKOさん。

4年前。
ハワイで開かれたウインドサーフィンのワールドカップで優勝したそうだ。
世界チャンピオンと会えるなんてめったにない!
いろいろ話しを聞いて見たいぃ!
と思っていたら。
自分が質問攻めにあってしまった(笑)

気付けばもうお昼だった。
楽しい時間はあっと言う間に過ぎるものだ。

でも。
逆もある。
辛い時。  苦しい時。  悩みがある時。
時間が解決してくれる。
とは言うものの。
こんな時は中々時間が進まない。
なぜだろうか。

多分。
それは。
時が過ぎ去るのを待つのではなく。
しっかり。
とことん。
自分と向き合いなさい。
と、与えられた時間。
そんな気がする。
その時に前向きな考えを持つ事ができれば。
再び時間は動き出すのだ。

さて。
ショップを後にし、御前崎方面へ。
点在するサーフポイントを見て回る。
御前崎に近づいたあたりで楽しそうに波乗りをしている人達の姿に出会う。



御前崎周辺は明日入ろうと思っていたが、見ていたらいてもたってもいられず…
歩道で着替え海に飛び込んだ♪
しばし波乗り。

『ごちそうさまでした♪』
車が行き交う道の歩道で見事なまでの早着替え(笑)



その先にも続くポイントを眺めながらキャンプ場へ移動した。
お腹も減ったのでBeach Garden SurfのFくんに頂いたお米を炊く♪



ふっくら♪



今日は上手に炊けた。
計量カップがないのでいつも目分量だ(笑)
でもだいぶコツを掴んだ。
暖かいご飯にレトルトカレーをそのままかける。
ご飯の熱でカレーも温まる♪
燃料の節約だ。
やっぱ日本人はご飯だよなぁ~とぶつぶつい言いながら鍋いっぱいのご飯を完食した♪

そうそう。
今日は一人キャンプじゃない。
さっき東京から来たバイカーさん二人と知り合った。



お二人は隣にテントを張り食事に出掛けて行った。
『もどったら一緒に話しましょう!』と言って。

偶然迷いこんだキャンプ場。
やはりこれも偶然では無く、何か意味のあることなのか。
何だかまたワクワクセンサーが反応!?
どんな話しが出来るか。
今から楽しみだ♪



ではまた!


 

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