第三十一話 “ リンク・りんく・Link ” 05-28

昨夜は道の駅で野宿。

夜。
地元のやんちゃっ子がボボボっ~と登場。
話したらすごい素直ないい子達だった。
ちょっとつっぱって見えても。
他の人と表現方法が違うだけ。
純粋な素直な子達だ。
純粋がゆえの反発なんだろう。

楽しいひと時を過ごせた♪

目が覚める。
薄明るい。
寝袋からゾンビのように這い出して。
明け方から全力で走り出す。

なぜか。

今日、ハコブンダーさんのご厚意により、この先の郵便局にタイヤが届くからだ。
ウキウキしながら走る。
順調に距離を進める。

しばらく走ると。
景色が良い場所があったので。

ガサガサッ♪
ガサガサッ♪っと
懐に隠し持っていた栗入り高級あんぱんを取り出した。

笑顔で頬張る。
むしゃ♪
むしゃむしゃ♪
そして最後の一口を頬張る。
むしゃ♪

すると背後から。
『やっと見付けました~!ちょっといいですか?』と。

んゎっ!?

びっくりして味わう間も無くごっくん。
『はいぃ長音記号1なんでしょうか?』
『さっき見かけて探してました!シュザイさせてください!』と。
『シュザイ?』
『あっ私こう言う者です。』

その名刺には【日刊熊野新聞】と書いてあった。



いつものようにパニクる。
照れながら緊張しつつシュザイを受ける。



カシャ♪
カシャ♪
と、写真も撮られ。
恥ずかしいやらなんやらで何を話したかあまり記憶がない。

ともあれ。
シュザイは終わった。
掲載される新聞を実家に送ってくれるそうだ。

ふと。
急に見知らぬ所から新聞が届いたら。
家の馬鹿息子がどこぞでなにかやらかしたっ!と勘違いしないだろうか。
と不安になった…。

しかし悪い事で新聞に出なくてよかった。
恥ずかしかったが、後でいい思い出になるだろう。

さて。
また走り出す。
ちょっと休憩。

すると。
『こないだ海南辺り走ってませんでしたか?』と声をかけられた。

彼は休みを利用して、車で北海道までの一人旅の途中だった。
チャリダーにも興味があるようで、質問の嵐♪
自分もいつかチャレンジしてみたい!との事だったので。
つんつん♪と背中を押して見た。

H君が一歩踏み出せますようにと。



さて、郵便局を探す。

観光案内所があったので、尋ねてみる。
すると丁寧に親切に対応してくれた♪
そして。
この先の地図と、お菓子まで頂いてしまった。

Sさん!ありがとうございました!



さてさて。
郵便局だ。

タイヤ届いてますかぁ?
と聞いてみる。
確認してもらうと、夕方届くようだ。

まだ3時間位ある。
ど~しよっかな♪と頭の中で作戦会議。
さっき観光案内所で頂いた市内マップを眺める。

温泉銭湯発見♪
決めた!
ここに行こう!

こじんまりとした銭湯だが安いし何より壁の富士山がリアル感満点だった。



さっぱり♪

しかしまだ時間がある。
外に出てお風呂セットをしまっていると。
番台のおじちゃんが外に来て話しかけてきてくれた。
しばらく話し。
あっそうだ!と思い。
どこか時間を潰せる場所がないか聞いてみた。

すると。
すぐそこに公園があるよ!と教えてくれた。
行ってみる。
ベンチに座る。
ふぅ。
と一息。

すると。

一目でそれとわかる人物が時を同じくして公園に迷い込んできた。
目が合う。
お互い笑う。
旅人だった。

奄美からヒッチハイクと徒歩でここまで来たと言う。



おおみ君。

『俺は決めたんです!ふざけた事を思いっ切り真剣にやってみようって!』と。
フィルム式のトイカメラでちょいとふざけた写真を撮りながら旅をしているそうだ。
自ら放浪癖があると言っていた彼の話しは面白かった。

お互いにちょっと落ち着けよっ!って位話しまくった(笑)
お互いのこれから先の健闘を祈り握手をして再会を誓う。



本当に面白い。
1億2千万人の日本人の中の二人が街中の公園で鉢合わせる。
今日の出来事の中のどれか一つでも起きなかったら無かっ出会い。

もし。
あの時あそこで栗入り高級あんぱんを食べなかったら。
H君が話しかけて来なかったら。
Sさんが市内の案内マップをくれなかったら。
すでにタイヤが届いていたら。
番台のおじちゃんが話しかけてきてくれなかったら。
つながり。

全部つながってる。
過去の全てが。
いい事も悪い事も。

もし明日。
何か悪い事が起きるとする。
そしたらこう考える。
これはきっと。
この先に起こる何かいい事につながってるんだ♪
そして自分の未来にワクワクする。

そしたらきっと。
悪い事も受け入れられるっていうお話しでした♪

ではまた!


*ハコブンダーさん!タイヤ受け取りました!
そのご厚意と丁寧で親切な対応に心より感謝します!!ありがとうございました!