バックナンバー 第一話 ~ 第二十話

シーナサーフスタッフ“やなっち”のちゃりんこで日本一周に挑戦ブログのバックナンバー日記です!
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第十二話 “ 出会い。また出会い。 ” 05-09

今朝は早起き。

テントを片し、管理人さんに挨拶し7時30分頃出発。
志布志港を越し、しばらく走ると波乗り天国宮崎県へ♪
意外と順調に串間市に到着。
さて、分かれ道だ。

どうしよう。
このまま走って来た220号線を進めば一気に日南市の方まで行ける。
右折して448号線を進むと都井岬をぐるっと回るコースだ。

さて、どうしようか?
サーフポイントMAPを見る。
都井岬の近くにサーフポイントがあるではないか!
恋ヶ浦♪
いい響きっ♪

決ぃ~めた!
と言うわけで448号線へ。
走り出してすぐにルンルン気分は終了。

めちゃハードな峠道(-.-;)


ペダルを漕いでも時速4㌔。
歩きと一緒…
じゃあ歩いた方がいいか?
と、自転車を押し歩く。

重い…
流石に荷物整理の時に靴は残すべきだったのか…
あれこれ考えながらひた歩く。
横を過ぎ去る車のエンジンがうなりを上げて坂を上って行く。
自分もうなり声をあげながら登る登る。
ダラダラ汗を垂らしながら坂を登っていると、プップッ~と、クラクション。
自分を追い抜き少し前で停車。
んわ?何事ですかい?
大分の陶芸家、東さんだった。

みかんと飲み物を頂く♪


ありがとうございます♪
『あんたの写真を一枚撮らせて』と東さん。

カシャ♪カメラ

『実家に送っておくよ!』と言って走り去る。
少し元気になり、登山開始!
行き交う車に笑われたり、応援されたり。

午後2時頃。
恋ヶ浦に到着!

腰~胸位。
風が入っているものの中々の波。
ローカルさんから情報収集し、さっそく♪
波乗りを楽しんでいると、見覚えのある人がビーチから海を見てる。
東さんだ。
自分の自転車が恋ヶ浦に停まっているのに気づきわざわざよってくれた!
波乗り中の自分の写真を撮ってくれ、これも実家に送ってくれると言う。

ありがとうございます。
何からなにまで。

恋ヶ浦の波。


その後しばらく波乗りを楽しみ切り上げ駐車場に戻ると、田中さんが声をかけてくれた。

田中さん。
若い頃、埼玉から波乗りしながら宮崎まで来たと言う。
いよいよお金がつきそのまま自衛隊に入隊。
今は結婚し、宮崎に住んでいる。
マジ爽やかないい人だった。

訳あって詳しくは書けないけど頂き物をし、お返しにに昨日彫った島ぞうりを。
喜んでくれて良かった!


本当にありがとうございました!

その後今日の寝床。
なんごうの道の駅目指し出発。
恋ヶ浦から車で15分。
自転車で2時間(笑)

道の駅で車で旅をしている谷口さん夫妻に出会う。


声をかけて頂き、お酒と夕食をご馳走になる。

おおきに!
ごちそうさまでした!
良い話しが出来てよかったです!
本当に感謝感謝の毎日だ。
明日は接近する低気圧の影響て、雨風が強まるらしい。
今日はこのまま道の駅で野宿しよう。
明日の事は明日考えるとして、今日は疲れた。

寝るとしよう。

ではまた!

第十三話 “ ヤマナイアメ ” 05-10

夜中3時
雨の音で目を覚ます。

5時。
雨と風の音で目が覚める。
起床。

ふぅ。 雨か。


ちびちびと撤収し朝ごはん。
弱まっては強まる風雨に出発の踏ん切りがつかない。
これから先の長い道のりを考える。
のんびりばかりもしてられない。

行こう!
6時30分走り出す。

宮崎。
ここは、
波乗り天国
チャリダー地獄

なぜ地獄?

かっ飛ぶ車、狭い路肩に途切れる歩道。
今回初の愚痴も飛び出す。
左の歩道が突然途切れいきなり右に歩道が現れる。

しかも狭い。
あまりの狭さにリアカーが引っ掛かり二回横転。
怪我は無し。
でも、歩道があればまだ良し。
無ければ嫌でも車道を走る。
だか、路肩は狭いし車はかっ飛ぶ。

泣けてくる。
車道を走れば当然迷惑。
大型の運転手さんすみません(泣)
自分みたいのが道路を走っていたら抜くのにかなり怖いはず。
でもこちらはもっと怖い。

『迫り来るトラック』

VS

『時速10㌔のチャリ』


狭く逃げ場のない道では後ろに車列を従えて半ベソ走行。
もう愚痴はこれくらいにしよう。

東国原さん。
・・・・・・・・・・・歩道。   どげんかせんといかん!
頼みますm(__)m

しかし、この辛い道のりにも良い面もある。
途中途中に点在するサーフポイント。

波乗りをするサーファー。


モアイ♪
宮崎美人さん二人組から突然アクエリアスの差し入れ♪
あまりの突然の事にびっくり。
その驚きっぷりに宮崎美人さんは大笑い。

ありがとうございました!

さてさて。
あいにくの風でどこのポイントもいまいちなコンディション。
サーファーの姿を見かけては立ち止まり、立ち止まりの繰り返し。
しかし今日は遠慮しておこう。
雨にうたれて寒くて寒くて。
明日風が収まれはきっといい波になるだろう。

ある場所に立ち寄った。


わかる人はただ一人。
思い出の場所だ。
あの時ここで再会出来たから今がある。

二年前。

ボロボロの心で旅立った。
ここで全てを吐き出し、過去を振り返らずに前を見た。
色んな事が頭をよぎる。
二年前の自分の気持ち。
今の気持ち。

雨が凌げる場所を求めて道の駅へ向かう。
激しさを増す雨に打たれながら急に淋しくなる。

到着。
ベンチにぽつり。
ここでまた人の優しさに出会う。

どうなつを頂く。


美味しい。
なぜだか急に涙が出て来た。

止まらない。
トイレに逃げ込み思いっきり泣いた。
弱虫・泣き虫、なんと言ってもらってもいい。
こんな事をしていても、自分は決して強い人間ではない。

辛くも淋しくもなる。
楽しいばかりが人生でないこともわかっている。
でも。
きっと。
これが糧になり。
また新しい自分が創られていく。

『止まない雨はない。』
どこかで聞いた台詞。

その通りだ。
雨も思いっきり降れば気が済だろう。

ではまた!

と、思ったら!
またまた素敵なご夫妻に♪


優しい笑顔と楽しい話しとわんこに癒された♪
みかん沢山ありがとうございました!


さっきまでの淋しさもどこかへ。
人の優しさって。

今は感謝しか出来ないけど。
ありがとうございます。

では!

第十四話 “ 嬉し恥ずかし♪ ” 05-11

朝起きる。

道の駅族(車で旅をし道の駅で寝泊まりする方達)のご夫妻方からコーヒーや朝ごはんをご馳走になる。
名称は勝手につけた(笑)

なぜか今日は沢山の人達に見送られ盛大に出発。
がんばれ!
気をつけてね!
の声に笑顔で手を振る。
大体の道の駅族さん達は定年後の楽しみとして夫婦で日本中を旅している。

昨日のご夫妻も一昨日のご夫妻もそうだ。
素敵な楽しみだ。
皆さんからするとちょうど自分はお子さん世代。
息子さんにかぶるようだ。
皆さんから良く言われるのが、『なんだかあんちゃんから元気をもらったよ!』と。

自分も一緒だ。
皆さんからはいつもいつも優しさや励まし、笑顔を沢山もらっている。
自分の姿を見て元気になってくれる人がいる。

嬉しい。

中には『俺も若い内にそんな事してみたかったなぁ~』と言う人達もいる。
自分は今やりたいことを思いっきりやっている。
本当に幸せ者だ。

さて。
サーフィンだ。

こどもの国~木崎浜をチャリで流しながら波チェック。
どうやらこどもの国前が1番よさそうた。

セット胸位。
やや厚めだか他より面が整っている。
ローカルさんから情報収集。

ここに決めた。
荷物を撒き散らしながらお着替え。




更に入念な準備運動&ポイントチェック。
やっぱ宮崎。
レベル高し。
中にはプロ級もいらっしゃる。

ところで。
最近。
気になる事がある。
どう考えても目立つ登場シーン。
チャリでボードを引っ張ってる輩がどこからともなく現れる訳だ。

当然、回りのサーファーさん達は『こいつは!いったい!!』って雰囲気になる。
そいつが着替えて海に向かう訳だから、小規模ながらギャラリーができる。

辛い汗
これでめちゃめちゃ上手ければ格好もいいが、初心者に毛が生えたレベルの自分。
サーフィンは誰にも負けない位大好きだが決して上手くない。

自意識過剰かも知れないが視線が気になる…
硬くもなる。

最初の2本は上手く乗ったが後がからきし…
沖縄でリーフになれすぎてしまったのかピークがシフトするビーチが難しい。
しかも今日の風とうねりではこのポイントが1番合うようで、海の中はごちゃごちゃしてきた。
これまた沖縄でゆる~い波乗りをしてきたから波の取り合いをする気にならない。

わかってる。
ぜぇ~んぶ言い訳♪
しまいには、ワクッスの効きが!とかいいだしそうなのでこの辺でやめとこう。
全国のサーファーの皆さん!
もしあなたのホームブレイクにチャリンコサーファーが現れたなら!!

そっと優しく見守ってあげてください(笑)

さてさて。
驚くべき事が起きている。
旅先で出会った方達がアメブロに登録しメッセージをくれたり。

また。
『種子島で見かけました!』
とか、
『ブログを楽しみにしています!』
等々、沢山のメッセージが届いていた。

これには本当にびっくりだが何より嬉しく励みになる。
うみぼうずさんにいたっては自分のブログの紹介までしてくださっている。

もし、
この旅が
この日記が
自分の為だけでなく
ちょっとでもいい。
ほんの少しでもいいから誰かの何かの役に立つのであれば。
この旅にもっと素敵な意味が加わる気がする。

では!
~宮崎県日向市より~

いつもペタやコメント、メッセージを下さる皆さん。
本当にありがとうございます!

しかしながら…対応遅くてごめんなさい。
何せ電源の確保が至難なのですm(__)m

どうか見捨てず、今後ともよろしくお願いします!

第十五話 “ さようならありがとう宮崎♪ ” 05-12

朝起きると東の空が明るい。

晴れだ。
風はオフ~サイドオフ。
少し肌寒いが
波の期待大!

慌てて荷物をまとめ金ヶ浜へ。
しばらく走る。
太陽が勢い良く、ぐんぐん上がってくる。
山の切れ目から海が見えた。

波も割れてる♪



ニヤニヤが止まらない。

急ぎ金ヶ浜へ。
ポイントチェック。

早朝にも関わらず5人のサーファーが波乗りをしている。
セットで胸位だろうか。
若干サイドの風を受けているものの、申し分ない。
あっという間に着替え海へ。

朝日を浴びキラキラする海



たまらない♪

ゲットアウト。
セットを待つ。
三本うねりがの筋になって入ってくる。
一本目をやり過ごし二本目にテイクオフ。

昨日手こずった波とは違い、ボトムターンの後フェイスをキープするだけでアップスしなくてもグイグイ進む。

いい波だ。
たまらん♪

ポイントにいるサーファーさんに挨拶をすれば笑顔で返してくれる。
いいポイントだ。
昨日は不完全燃焼だっただけに楽しくて仕方ない。
昨日の内に無理して70㌔程移動したかいがあった。

2時間ちょっとで20本近く乗っただろうか。
少し波も落ち着きだしたので終了。

続いて。
何とか皆さんにこの波を伝えるべくサーフボードをカメラに持ち替え海へ。

パシャ♪

波にまかれながらも

パシャ♪


パシャ♪


福岡からお越しのKさん↑

すっかり満喫。
今日で宮崎での波乗りは終了。
最後にここで出来て良かった。

駐車場に戻り片付け&この後の一人作戦会議をしていると。
いかにもレジェンドって雰囲気のサーファーが声をかけて来てくれた!
福岡のMagic Rideの楢原さん。
一緒に来ているショップの皆さんに一斉に取り囲まれる。

端からみたら集団リンチ?(笑)
しばらくの質問攻めの後、『一緒に写真撮ろうぜっ!』と楢原さん。

パシャ♪
今度は自分が皆さんをパシャ♪



また立ち寄る場所が増えた♪
北海道の後、日本海を南下して福岡に行った時には必ず寄らねば。
楽しみがまたひとつ♪

さてまた走り出す。

予定していたキャンプ場がなんと今日はお休み…
仕方なく更に先の道の駅まで。

疲れたぁ~とベンチで休んでいると。
さっき駐車場で話したおばぁちゃんが息子さん夫婦と一緒に自分の所にやって来た。

はて?

『一緒に夕飯どうですか?』とご主人のSさん
更に、
『さぁ一食儲かったと思って!遠慮しないで!さぁさぁ!』と。

お腹がはち切れそうな位たくさん豪華な夕食をご馳走になってしまった。



この他にも宮崎名物チキン南蛮も!

聞けばSさん、昔はサイクリングが大好きであちこちに自転車に乗って出掛けていたと言う。
今は外車のキャンピングカーでおばぁちゃんと奥さんを連れてあちこち旅して親孝行しているそうだ。

楽しく美味しい夕食をありがとうございました!。
波も人も出会いは偶然だ。
良く考えると不思議になる。
旅の中での一つ一つの選択。
その選択の結果が新たな出会いを生んでいく。

例えばあの時。
鹿児島のキャンプ場。
あそこで一日のんびりしたからこそ、今日この場所でこの波に出会えた。
雨に打たれながら、前へ前へ進んだからこそ、行く先々で巡り会う人々。
違う選択をしていれば決してこうはならない訳だから。

偶然?・・・・・必然?

今日までの出来事に、
そしてこの先の未来。
と、のどかな景色を眺めながらまったり思いを巡らせた。

明日は宮崎から峠を越えて大分に向かいます。

~宮崎県延岡市北浦にて~

第十六話  “ 壁ってやつは ”  05-13

今朝も日の出と共に起床。



そういえば夜中に目を覚ました時、ふと見上げた満天の星空。
(多分)南東の空にさそり座が力強く輝いていた。

さて今日はここまでの旅路で1番の難所。
宮崎→大分の県境峠越え。
何とか明日迄には大分の佐伯港に着きたい。
週末あたりから天気が崩れるらしい。
雨の峠越えだけは避けたい。

まず今日の目的地は県境を越えた先の大分県蒲江の道の駅。
今日はそこで野宿して、金曜日には佐伯港に着きたい。

佐伯港からはフェリーにのり高知へ向かう。

さて。         走り出す。
いやっ。         歩き出す。
相棒のチャリとサーフボードを引っ張りながら。

100㍍毎に。        ふぅ。10秒休憩。

山道、坂道が果てしない。



自転車日本一周サーフィンの旅-P5130623.jpg

トンネルは一つの目安だ。
一つの峠道の最頂部にトンネルがある事が多い。

坂を登りトンネルが見えると『よっしゃ!』と心でガッツポーズ♪
トンネルを越えればしばらくは下り坂。
スピードは出せないが爽快な気分♪

も、長くは続かない。
また登り坂→トンネル→下り坂の繰り返し。
何度か繰り返す。

途中、トンネルの中で宮崎から大分へ。
さらに、しばらく山道を下ると、そこは今日の目的地ではないか!

午前10時。
予定よりかなり早く着いた。

さてどうしようか?
ここまで来れたんだから明日の目的地まで行っちゃお♪

そして登る歩く下るを繰り返し、明日の目的地に到着してしまった(笑)
一歩づつ。
一漕づつでも。

前に進めば必ずたどり着く。

自転車日本一周サーフィンの旅-P5130620.jpg

結局の所。
自分の中に。
峠越えだの。
この道のりはきついだのと。
自分で知らないうちに、見えない壁を作って身構えていただけなのだ。

度々登場するが。
以前、岡さんがこんな事を言ってた。
『大した事でもないのに、勝手に心に壁を作って苦しんでいる。』
見たいな事を。
今日の事もそうだったのかも知れない。
自分の中で『この先の道のりはきついぞ!』と勝手に決め付けていただけだ。
もちろんリスクは計算しなきゃならないが。
必要以上に怖がる事はない。

やって見なけりゃわからないのだから。

何事も。

☆遅くなりました。コメントにだけですが…返信しました(^O^)/

第十七話  “ 夕日の温もり ”  05-14

朝方、テントの中で寝袋にくるまっているにも関わらず寒さで目が覚めた。

荷物からダウンジャケットを取りだし着込む。
外に出る。
息が白い。
5月の朝がこんなにも寒いものかとちょっと驚く。

テントをたたむ。
折りたたみ傘すらまともにたためない自分にとっては非常に困難な作業。
それでも最近ようやく馴れてきた。
しかし、新品で届いた時の大きさには今だに収められない。

まぁそれはいい。
荷物をまとめ、佐伯港のフェリーターミナルへ向かう。

出港3時間前に到着。
誰もいない(笑)
と思ったらフェリー会社のおじちゃんが一人いた。

元お米屋さん。

今から20年程前。
免停になってしまいお米の配達が出来なくなった時に自転車にリアカーを付けてお米を配達したと言う。
30㎏のお米×5袋を積んで。
おじちゃんは言った。
『あの時までこの町にこんなに坂道があったとは知らなかったよ(笑)』と。
わかります。
その気持ち。

凄く。

でもおじさん。
『二ヶ月の免停の間に20㎏痩せて健康になったよ♪』
と笑ってた。

苦労も捉え方次第である。

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自転車日本一周サーフィンの旅-P5140690.jpg

さてフェリーに乗った。
お客さんは少なくちょっと寂しい。

しばらく横になる。
しばらくして外を見るともう四国が見えてきている。

龍馬さん気分で海から四国を眺める♪

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自転車日本一周サーフィンの旅-P5140682.jpg

マスト見たいなのにも登ってみる(笑)
*良い子はまねしちゃいけませぬ。

高知の宿毛港に到着。
しばらくうろつく。

本屋さんに寄って地図を物色。
高い。 重い。

いいのがない。

ん~。
まっいっか!
なんくるないさ~♪

と出発するも、いきなり迷い、道を尋ねる…
でも高知の人は優しい。
こんなに怪しげな自分にも優しく丁寧に道を教えてくれる。

港から少し走り、道の駅到着。
観光案内所に寄ってパンフレットが並ぶラックで地図を物色。

いいのがない

案内所のダンディーな兄さんに、
『他に地図なんか無いですよね~』と尋ねると。
ニヤっと兄さんの目が光った。

『これなんかどう?』
『こんなのもあるよ!』

と。
どこからともなく引っ張り出して来てくれた。
良く吟味し、
道の起伏まで書いてある地図をゲット!
さっき無理して買わなく良かった~♪

そして、そこから話しが弾んだ。
ダンディーな兄さん=原田さん。
やはりサーファーだと言う。

道理で。
黒い訳だ。
高知の波乗り事情も聞けた。

『ありがとうございました!』と言って案内所を出た自分の手には地図と煮干しとカップラーメンが。

自転車日本一周サーフィンの旅-P5140685.jpg

本当にありがとうございました。原田さん!




さて、今日はあまり移動はしなかった。
時間もあるしもうちょっと進もうかとも思ったが、この場所にも少し思いでがあるからだ。

二年前の旅。
辛いばかりの道のりが続き四国に着いた。
そこで初めてチャリダーと言う人種に出会った。

神戸のS君だ。

彼とは3日間一緒に旅をした。
この場所はその彼と別れた場所だったからだ。
あの時、初めて旅の出会いの楽しさと別れの辛さを知った。
一期一会をリアルに感じた場所。
あの時のアイスクリンの味を思い出す。

もうお気づきの方もいるかも知れないが、出発からこの先の神奈川迄は多少の違いはあれど、二年前の旅を遡る道のりだ。

走る度に思い出す風景。
あっ!そういえばこの辺に商店が!

あった♪あった♪
あの時、あそこで休憩したなぁ~とか、
あの時はこんな事を考えてたな~。
とか。
その時の旅で考え続けていた事が、今回のこの旅の事だった。
いつか。

いつかサーフィンしながら日本を一周してやる!と。
人間、
夢を持ち、
想い続け、
それを口にし続けると、
本当にそれが実現するものだ。

当然、自分一人の力で今ここにいる訳ではない。
たくさんの人のお世話になり。
時には自分の意志を貫く為にわがままも言い。
でも、そのわがままを聞き入れてくれる人達に出会い。

そして応援され。

ちなみに今日は素敵な寝床を得た。

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道の駅の売店のおじさんが『あそこで寝てきな』と。
お遍路小屋だ。

四国は本当にお遍路さんと旅人に優しく温かい土地だ。
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沈み行く夕日を眺めながらそんな事を考えていたら、なんだか心が温まった。

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また風が冷たくなってきた。
今夜も冷えそうだ。
今日はこの気持ちのまま眠りに付くとしよう。

では。

~高知県西部にて~

第十八話  “ サーフキャンプ ♪ in 四国 ”  05-15

さて。
まずは昨晩の事から。

9時頃だろうか。
寝床を教えてくれた道の駅の売店のおじさんが、
『テントのあんちゃん!おるか?』と、訪ねて来た。
『はい?』
『どせいみるか?』
『ん?あっ…はい…』

どせい?    ドセイ?     怒声?

取りあえず行ってみる。
するとそこには天体望遠鏡が!
『ちょっと見てみぃ』とおじさん。
そっと望遠鏡を覗き込んだ。
『あっ!!』
そのレンズ越しには土星と輪っかが小さいながら、はっきりと見えた。
もちろん。
テレビや写真では見たことはあるけれど、自分の目で見る土星はひと味違った。
今日は満天の星空。
この中のひとつの星の輝き。

神秘的だ。

そしておじさん。
『あそこの山の麓を散歩してきな!』と。
肝試しですかい(*_*)?
と、思ったら。
『蛍がいるから!』と。

蛍かぁ~。
子供の頃に見た覚えはあるけど大人になってからはとんと見ていない。

行ってみる。

暗い夜の畑道。
水路を流れる水の音。
不思議と怖くはなかった。
それより蛍を見たいと言う好奇心が勝った。

しばらく歩く。
ライトを消してみる。
ぽつり。
ぽつりと。
草陰が光っている。

蛍だ。
小さいながらも力強い輝き。
よく見ればあちこちで光っている。
ここもまた星空のようだった。

道の駅に戻りおじさんに話しを聞く。
『このあたりは観光資源がないだろ?だから少しでも旅行者の人を楽しませたいんだよ。』と。
おじさん曰く
『おじさんのやってるのはお接待(←四国88ヶ所を巡礼する人を土地の人達がおもてなしすること)じゃなくて、お節介だけどな!』と。

ボランティアな訳だ。
この土地がきっと大好きなんだろう。

更におじさん。
衝撃発言を。
と、ある場所に年に2~3回500㍍くらい乗れる波が立つ場所があると言う。
もちろん地元のローカルサーファーさんが大事にしているシークレットポイントだ。
詳しく書くつもりない。
でも乗れなくてもいいから、一度そんな波を見てみたいものだ♪

高知県にある道の駅すくも。
晴れた夜にもくもく屋の平田さんを訪ねれば天体望遠鏡で土星の輪を見せてくれる。
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一緒に土星を見ていた子供たちの楽しそうな顔が印象的だった。
皆さん四国に行くときはぜひ寄ってみては。

さて。
朝7時に出発。

朝8時。
なぜかこんな所にいる自分。

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別に悪い事をしたわけではないのです。
お財布を拾ったんです。
で、駐在さんにお届けに♪
さっき、持ち主の中学生のお父さんからお礼の電話を頂いちゃいました。
わざわざお電話ありがとうございました!

暑い!
今日は暑い!
太陽ギラギラです。

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早くサーフィンしたい~♪
と、一生懸命ペダルをキコキコ♪

お昼過ぎに高知県の西部のOポイント到着♪♪

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で、波乗りしてきました♪
潮が上げるに連れタラタラになっちゃいましたが、楽しめて良かったです!

そしてすぐ隣の無料キャンプ場で一晩泊まります。

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明日の朝波があったらもう①ラウンド!!

ブロロローン♪
あっ!
バイカーだ♪
自分の隣にテント貼ってる。
ちょっくら話しに行っきま~す(笑)

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では!

~高知県Oポイントより~

第十九話  “ 出会いの連鎖 ”  05-16

昨日の夜はバイクで日本一周している滋賀からきた、【まさ】と語った。

みんな表面には出さなくても何かしら悩みや不安を抱えているものだ。
でも、まさはきっとこの旅を通じて何かを手にするだろう。
話していてわかった。
感謝の気持ちを持てる人だったからだ。

朝目覚める。
ビーチまでとことこ行ってみる。

おぉぉ~♪
ちょうどビーチの端から朝日が昇って来た。
おぉぉ…・・・・・・・・・・・・・・・・・・でも…・・・・・・・・・・・・・・・波がない。

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しょんぼりしながらテントに戻る。
さて、波がないのは仕方ない。
相手は自然。
かないっこない。
次のポイント目指して出発だ。
すると、いつも起きるのが遅いと言っていたまさが起きてきた。
そして出発する自分を見送ってくれた。

まさ!夏に北海道で会おう!

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走りだす。
一つ峠を越える。
四万十川沿いの道に出た。
信号待ち。
すると、同じく信号待ちの車のサーファーが声をかけてくれた。

大阪のYさん姉妹だ。
この後Hビーチに到着すると、Yさん姉妹もいた。

『ブログみましたよ~』と。
どうやら移動中にもしかしたらブログでもやってるかも?と、探してくれたらしい。
Yさん姉妹もここで入るらしい。
自分はしばらく様子を見る事にした。

やはり日曜日と言う事で多少ポイントが混雑していたからだ。
一時間近くまったりしながら波チェック。
せっかくの波だし、ここで入る事にした。

サイズは腹くらいだろうか。

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ただ残念な事に時間がたつにつれ干潮とオンショアが重なりコンディションが悪くなってしまった。
もうちょい早く入るべきだったか…
などと想いながらも海から上がりまた出発。

【Yさん姉妹さん!
ポイント情報やら道案内やら色々ありがとうございました!】

自転車日本一周サーフィンの旅-P5160066.jpg

しかし、波チェックでロスした時間が次の出会いを引きよせる。

寝床の目的地としてこの先にある道の駅を目指し出発。
海岸線沿いのアップダウンのある道のりが続く。
ややきつい坂の頂上にベンチを発見。

ちょいと休憩♪

水道があったので顔を洗う。
すると一台の車が停まった。
おじさんは歯磨きしながら水道に近づいてくる。
ちらっと自分とチャリを見る。
『あんた贅沢な事してるな~』と。
そのまま会話が始まる。

とてもとてもいい話しを聞けた。
高知のサーファー【きぃちゃん】さんだ。

『俺達はサーフィンをしてるんじゃない。この自然にサーフィンをやらしてもらっているんだ。』と。
きぃちゃんさんは海に入るとき。
『いただきます!』と言ってゲットアウト『ごちそうさまでした!』と言って海から上がるらしい。
自然の恵に感謝しているわけだ。

その後、【東田 トモヒロ】さんと言うミュージシャンの曲をカーステレオから流して聞かせてくれた。
自分は車の横の地べたに座りながら目をつぶって聞いた。
東田さんはキャンピングカーで旅しながらライブ活動をしサーフィンをしているらしい。
彼の歌詞と自分の気持ちが調和する。

心地好い。

瞬間的にファンになった。
『あんたなら、気に入ったろ!』ときぃちゃんさん。
きぃちゃんさんは言っていた。

『ありがとうって素直に言える心。これは人間の財産だ。財産はお金じゃないんだ』と。

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素敵な話しと心地良い曲を聞いて清々しい気持ちできぃちゃんさんとお別れした。

さて、自分も行くか!と思ったら。
さっききぃちゃんさんが使っていた歯ブラシとタオルが置きっぱなしではないか!!

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どうしようあせる

そういえばさっき話しの中で近くのうどん屋さんがなんとかって言ってたな。
取りあえずそこに行って見よう。
と、走り出すも、中々場所がわからない。

何人かに道を訪ねながら1時間後、ようやくうどん屋さんを発見!!
お店に入る。

『すみません!きぃちゃんさんって方知ってますか??』
すると店の主人らしき方が、『さっきまでその辺にいたけどなぁ~』と。
何はともあれお知り合いのようなので事情を説明しタオルと歯ブラシをお願いする。
なんとか忘れ物を預けられた安心感からか、急にお腹が空いてきた。

『カレーうどん下さい。』
『はいよ!』

落ち着いて良く店内を見回してみた。
うどん屋さんと言うよりはお洒落なカフェ。
あちこちにサーフボードが置いてある。

机の上にはサーフィン雑誌がずらっ~と。

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お店の名前は【朋輩】

目の前はサーフポイント。
時々ライブなんかもあるらしい。
そういえばさっききぃちゃんさんが言っていた東田トモヒロさんもここでライブをしたらしい。
聞きたかった。

さて、
ここでお会いしたのが朋輩のご主人【まなぶさん】だ。
なんだか優しさの中に不思議な迫力がある方で、すぐにサーファーさんだとわかった。
詳しくは聞かなかったが、会話の端々から凄いサーファーの名前が出てくる。
おそらくだが、まなぶさん。

かなりの方だと思う。
でも、気取らず飾らず。
自然な雰囲気。

夕方からビールをご馳走になる。
そして。
とんでも情報をゲット。
今夜の野宿予定の道の駅が今朝火事になったと。

(T_T)マジですか…

どうしようと思っていたら『家の店の裏の芝生にテント張りなよ』とまなぶさん。
お言葉に甘える事にした。
本当はもっともっと話しをしたかったが、営業中の店内に居座るのも気が引ける。

外にでると、スタッフのじゅんさんと話しができた。
いろいろ旅して波乗りして高知にたどり着いたと言う。
まなぶさんも昔は色々旅をしたと言っていた。

種子島のシュウさんもそうだ。
この旅が終わった時。
果たして自分にも。
たどり着く場所があるのだろうか。

もしかしたら、それを探して旅をしているのかも。
と思いながら今日一日の素敵な出会いに感謝した。

では。

~高知Iポイントにて~

第二十話 “ 心にゆとりを ” 05-17

昨日は歩きお遍路をされているAさんと一緒にまなぶさんのうどん屋さん【ほうばい】の軒下で野宿。

朝。

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またしても素敵な日の出。
思わず手を合わせる。

自分はAさんに沸かしたお湯でコーヒーを。
Aさんは朝ごはんにとおにぎりを半分分けてくれた。




しばらく二人で談笑していると。
おばちゃんが近づいてきた。
『兄ちゃん!携帯の使い方教えてくれへんか?』と。
おばちゃん。
今日の朝日が綺麗だったから写メに撮って息子さん達にメールしたいらしい。

ピッポッパッ♪
『はいどうぞ。』

まだ朝の6時前だが、メールしてよかったのだろうか…

まあそれはさておき。
おばちゃんと話しが弾む。
『そういえば、兄ちゃん見たいなんを大分でみたな~』と。
『いつ?』
『ちょっと前。』
『おばちゃん!それ俺だよ(笑)』
『なんだぁ~そうねぇ~(笑)』

偶然って面白い。
大分で見かけられ、高知の田舎で再開。
二人でけらけら笑いが止まらない。

おばちゃん。ジャンベ(太鼓)が好きらしく年に一度四万十川のほとりのご自宅で皆を集めイベントをするらしい。

おばちゃんが言う。
『おばちゃんも皆から変わり者って言われるけどな、そのおばちゃんが、大分であんたを見た時、この子は変わったこやな~って思ったんよ(笑)』と。
またまた大笑い♪

別れ際におばちゃんが作っていると言うゆずの甘露煮と男前煎餅を頂いた!

ありがとうございました!





さておばちゃんと別れ、Aさんとも別れ出発だ。
取りあえず隣のOポイントを目指す。

ひざ~もも位だろうか。
何とか出来そうだ。
この先しばらくサーフポイントがないので、入る事にした。

着替えていると旅のサーファーUさんが声をかけてくれた。
この後波乗りをするらしい。



先に海に向かう。

準備体操の後。
『いただきます!』と言って入水。

しばらくすると、Uさんも来た。
おしゃべりしながらのサーフィン。
たまに波を見逃しちゃうけど楽しい♪

沖縄でコガちゃん&オッキーとふざけながら波乗りしてたのが懐かしい。

海から上がる。

『ごちそうさまでした。』





『気をつけてね!』と見送られOポイントを後にした。

さて。
ここまではいつものような楽しい時間だった。

峠に差し掛かる。
これもまぁいつもの事だ。
でも今日違った。

悲しい位狭い路肩。
狭いトンネル。
自転車の幅ギリギの歩道。
必死だった。

大袈裟かも知れないが僅か数10㌢の所を猛スピードで抜き去る車。車。車。
後ろから車が来る度に覚悟を決める。

少しでもバランスを崩して白線をはみ出せば。       死。

ずっと緊張していた。
ぴ~んと糸が張り詰めた状態がひたすら続く。
そんなこちらの心境を知ってか知らずか。
かっ飛んでくる車達に。
悪態をついてしまった…

言った所ですっきりするはずもない気分。
ますます気持ちが腐って行く。

はぁ~。

愚痴を言っても何をしても状況が変わらない事はわかっている。
むしろ。
そんなにイライラとしている自分が嫌になってきた。
自分がこんな気分の時は新しい出会いもなにもやって来ない。

と、ある場所でこの旅始まって依頼の冷たい対応に会い…
更に落ち込む。

少し休んで心を落ち着かせる。
良く考えればイライラするのもおかしな話しだ。
車を運転している人からすれば、自分のがいい迷惑なんだし。

何より。

イライラ。
愚痴ったり。

@★〆^!!
などと悪態を着いても、気分が悪くなるのは自分だ。

心にゆとりを持ち。
いつも笑顔で。
感謝する気持ちとありがとうの言葉。

昨日高知のローカルサーファー。
きぃちゃんさんが言っていた事そのものだ。
それに気づき気持ちが晴れた。

車の邪魔をしたなら頭も下げた。
邪魔になると思えば車列が通り過ぎるまで端により足を止めた。

すると不思議なものだ。
『頑張れよ!』とか。
プップッ~と手を振ってくれたりと。

きっと。
人にイライラすれば自分もイライラされる。
人を馬鹿にすれば自分が馬鹿にされる。
人を笑えば自分が笑われる。

そういう事なんかな~。
と思った。

それから時間はかかったが目的地に到着。

今日は自分の余裕のない気持ち。
イライラしたりした自分の戒めの為にもこの話しをブログに書いた。

せっかくの夢への道のりだ。
くだらない事で台なしにしたくないから。

さてさて。

明日からしばらく雨が降るらしい。
雨に負けないように頑張って走ろう。

少しずつでも前へ前へ。

ではまた!

~高知県須崎より~

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