第百八話  Great Surf jorney Day-33 
“ 何か一つタリナイモノ ” 08-22

こんな日をずっと待っていた。
自分がこの旅を夢とし、目標とした時から。  こんな環境を頭にイメージし続けていた。

それが今。  ここにある。

今朝、早起きするつもりが気付けば8時。
もうこんな事は書きたくないが。  深夜までキャンプ場でどんちゃん騒ぎするグループがいて。
結局寝たのは日付を大分過ぎた頃だった。
耐え兼ねた威勢のいいおじさんがキャンプ場に響き渡るほどの大声で彼等を咎めるまでその勢いは治まる事は無かった。

すごく残念だ。  しかしこれも現実だ。

さて。  こんな話しはもうよそう。  思い出しただけで今日の気分が台なしになりそうだ。
テントから出て辺りを見渡すと。  すでにM本さんの姿はなかったが。
D君のテントは張られたままだ。  近くにテントを張っていたグループさんに声をかける。

実は昨日から気になっていた。  テントの近くにウェットが干してあったのだ。
思い切って聞いて見た。
『おはようございます!もしかしてサーファーさんですか?』と。
すると、やはりお互いに気になっていたようで。  一気に話しが弾んだ♪

驚いた事に。



写真右端のOさん。
岩手で自分がお会いしたGさんのお知り合いで。
しかも。  以前、利尻島のマルゼンさんで少しの間働いていたらしい。
こんな偶然もあるものだ。
差し入れを頂き『またどこかで!』とお別れした。
*皆さんありがとうございました!

起きてきたD君とあれこれ話しお互いの検討を祈ってそれぞれ出発した。


*D君またどこかで!

今日この先のルートからはポイントが点在する。
朝、TOSHIYAさんに紹介してもらったイチローさんから連絡をもらい。
と、あるポイントを目指す事にした。
ここはTOSHIYAさんもお気に入りのポイントだと言う。
そして、そこはキャンプOKらしい。
ただ回りには何も無いので、食料の買い出しだけは忘れないようにとイチローさん。

途中にあるポイントで稚内で会ったサーファーさんに再会した♪



今日は珍しくポイントパニック状態らしく。



活気溢れるポイントだった。
そのポイントを後にし、少し走ると。
自分を見かけ待っていてくれたサーファーさんがいた。



『○○ってポイントまで後10㌔位ありますかね?』と聞くと。
『多分それくらいだと思いますよ!』と。

しばらく話し走り出すと5分で到着した(笑)

ポイントに着くと。  海には3~4人。  ビーチに7~8人のサーファーさんがいた。
手当たり次第に挨拶をする。
皆さん笑顔で返してくれる。

いいポイントだ♪

しばらく波を観察。  波はもも~セットで腰。



沖縄 サーフィン 北海道 日本一周 自転車 旅 

すごく綺麗なブレイクをしている。
少し休んでから海に入ろうと思っていたが。  バタバタと着替えを済ませ。
ローカルさんに『おじゃまします!』と言って海に入る。
海には自分を入れて三人だ。

一本波に乗ってみる。

えぇっ!!  ボトムが玉石たがらだろうか。
サイズは無いのにパワーがあってアップスをしなくても勝手に板が走る♪

たま~に腹位のセットも入りだし。  気分はもう最高潮♪
だが。  海水は信じられない位冷たい。
最初の10分は冷たさに驚き。  次の10分で足の小指の感覚がなくなり。 次の10分で震え出す。

そして次の10分で一瞬慣れ。  次の10分で体の動きが極端に鈍くなる。
結局1時間ちょっとで海から上がる。

あまりに寒がっている自分を見て皆が笑っていた。
すると。
一人のサーファーさんが声をかけてきてくれた。
『自転車の人ですよね?』と。
『写真いいですか?』と。
すると。
ビーチにチェアーを出し海を眺めていた、いかにも!と言った感じのサーファーさん達に囲まれた。

話しを聞いて驚いた。  ウェットスーツメーカーのDOVEの社長さん御一行様だった。



夏の間はこうして北海道で過ごすらしい。


海を。  波を眺めながら一緒に話しをさせて頂き。
イタンキ浜のローカルさんを紹介していただいたりと。
すごく気さくな方で自分もリラックスして話しをする事ができた。

そして。  今。
DOVEのチームのキッズ達が北海道で合宿中なのだと教えてくれた。
この後、全日本の大会に出場する子達で。  未来のプロサーファー達だ。

夕方。  テントを張り終え。  もう1ラウンド。  しばらくは二人きりで交互に波を堪能♪
すると。  さっきまで海辺で他の子供と同じように無邪気に遊んでいた、そのキッズ達も続々と海に入って来た。
みんなあどけない顔立ちの元気な小中学生なのだが。  そのレベルは凄まじい。
あいた口が塞がらないとはこの事だ。  スパスパと波を切り刻む彼等を見ていたら。
自分が波に乗らなくても十分楽しい♪
むしろ気持ちいい。

何本か波に乗り。  後は彼等に波を譲る。
世代交代だ。

まぁ。  元々。  同じ舞台にすら立っていないが…。
そうなったらもう、ビーチから観戦の方がいい♪

DOVEさん達もビーチから歓声を上げて楽しんでいる。
この子達。  どう言う原理かは自分には理解できないが。

飛びます(笑)





そして動きはキレキレです。
ふと。  茨城のSUN SURFさんでお会いした、カナト君を思い出した。
彼はこんな子達を差し置いて全日本で優勝したのか~。  と、すっかり感心してしまった。

さて。
日が暮れる前に。  一仕事しなければならない。
今まで何度もキャンプはしてきた。  サーフィンもたくさんさせて頂いた。
しかしそれをセットでとなるとあまり記憶がない。

高知と千葉位だろうか。  海辺にテントを張り。  波の音を聞き。  好きな時に海に入る。
そこには最高の波があり。  夜は焚火をして空を眺める。
時間の流れはゆっくりで。  その時間の速度よりさらにのんびりと時間を過ごす。
夕日を見て。
朝は海から上がる朝日を眺め。
波があればサーフィンをし。  なければ読書でものんびりと。  それが思い描いた旅の1ページだ。
そう。  今までの旅で。  何か一つタリナイモノ  があったのだ。  

それは。  焚火だ♪

日が暮れる前に薪を集め準備万端。



後は夜を待つばかりだ。  今日は大潮だろうか。  空の月はあと少しで満月になりそうだ。

日も完全に暮れ。  薪に火を着ける。



一発で成功。  なんか嬉しい瞬間だ。

北海道の夜は寒い。  20度を切る事もしばしばだ。
湿度も無く。  おかげで今まで寝苦しいと感じる夜は記憶にない。

なのに。  今日に限りなんだか蒸し暑く。  それに焚火で拍車をかけてしまった自分。
まぁこんな事もあるさ。  と、汗をかきながら焚火を楽しんだ。

今。  テントに入り。  波の音を聞きながら。  日記をつけている。
明日の朝までこの音が絶え間無く続く事を願って。

ではまた!

 

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