第百一話  Great Surf jorney Day-25~26 
“ 暑さと寒さと ” 08-14 & 15

今朝は珍しく早起き。
7時には荷物をまとめライダーハウスを後にした。

ライダーハウスには色んなスタイルの旅人が集まる。
特にこの時期は賑やかだ。  全国各地から旅人が集まって来る。
旅人という共通点だけで一瞬で打ち解けられる。
昨日はバイカーさんやチャリダーさんと楽しい時間を過ごす事が出来た。

さて。  早起きしたのはできれば今日中に知床峠を越えたいからだ。

海沿いを走っているのになぜ峠があるかと言うと。



知床。  世界遺産の知床半島は。  海沿いを走って岬を回る事が出来ない。
そもそも道がない。
半島の反対側まで行くには、知床横断道路を通り峠越えをしなければならない。
今回、本格的な峠越えは初かもしれない。

だから不安でもあり、そして楽しみでもある。

曇り空の下、先ずは知床の西の玄関口ウトロを目指す。
3時間ちょっとで約40㌔の道のりを走り峠の麓に到着。

一休みした後に、いざ知床峠を目指し出発。

いきなり恐ろしげな看板が目に入る。



正直、注意のしようが無い。  せめて自分が餌にならないように祈るばかりだ。
出だしにこんな看板をみたら嫌でも回りの森が気になる。  ついついキョロキョロしてしまう。
とは言え野生の動物がそうそう出てくる訳もない。
と、思っていると。
数㌔坂を登ったところで。



蝦夷鹿だ。  かわいい♪
しかし熊が出たらどうしよう感はますます強くなる。  道の左右は鬱蒼とした森が広がる。



ついつい森の中を覗いてしまう…。
すっかり晴れ渡った峠道。  汗をダラダラかきながら森を見てはヒヤヒヤしていた。

その時だった。  ガサガサ♪  ガサガサ♪  とすぐ近くで笹が揺れる音がした。
はっ!?  思わず足を止める。
まっまさか!?

しかし。  足を止めるとその音は消えた。  キョロキョロ回りを見渡しても変わった様子はない。
再び走り出す。

すると。  また。  ガサガサ♪ガサガサっ♪  うわぁ!絶対近くにいる!!
と、慌て後ろを振り向くと。  そのガサガサの正体がわかった。

なんだ…君か…。



まぁそれだけ自然豊かな所です。知床は…

峠の麓(海抜1㍍)から知床峠(海抜740㍍)までの約12㌔を。







3時間半ほどかけてのらりくらりと。  知床峠へ辿り着いた。
目の前に羅臼岳を眺めながら休憩だ。

羅臼岳を見ていたらお腹が空いてきた。
おにぎりを♪









さて。  今度はダウンヒルだ。  羅臼と言う街まで18㌔。  延々と下り坂が続く。
これはもう楽勝でしょ♪
と思っていたのは間違いだった。

やや雲が出て来た羅臼側。  さっきまでは尋常じゃない汗をかいていたのに。
下り坂になった途端。  寒い…。
しかもこの下りは急勾配&急カーブの連続。  颯爽と風を切って峠を下るつもりが。
これだけの急な下りになると。  ずっとフルブレーキだ。
少しでもブレーキを緩めればその荷物の重さから、あっという間にスピードがつき。
待ち受けるヘヤピンカーブで即アウトだ。

結局。冷たい風に体温を奪われながら。
時速10㌔ちょっとをキープするためにブレーキレバーを握力が無くなるまで握りしめながらひたすら下った。

夕方。  麓の羅臼に着いた時にはヘロヘロだった。
しかし。  出会いはいつどこに潜んでいるかわからない。

500円で泊まれるライダーハウスに到着した時だった。  さっき道路で自分を追い越して行った時。
ジロジロと自分を見ていた広島ナンバーの車のおじさんが。  急に目の前に現れた。

『屋久島でおうた(会った)けん!覚えとるか!?』と。  や!屋久島!?  まっまさか!?
いやいや、そんな訳はない。  あの人ではない(笑)

はて?どこで会ったかな…と記憶を辿る。
そして。  おじさんの話しを聞いて一気に思い出した。
屋久島の海楽園キャンプ場で自分が管理人さんと間違えて話し掛けてしまったおじさんだった。



思い出したらもう笑いが止まらない♪  こういうびっくりな出会いや再会があると。
驚く前に笑ってしまう。
そしてライダーハウスの受付を済ませた後に。
おじさんが熊ノ湯と言う河原にあるワイルド&激熱な温泉に連れて行ってくれ、その後近くの食堂でご飯をご馳走してくれた♪







ずっと食べたかった羅臼のほっけ定食とビールをご馳走になり、朝ごはんにとおにぎりをお土産に持たせてくれた。
*おじさん(Mさん)!覚えててくれてありがとうございます!ご馳走さまでした!

さて。  ライダーハウスに戻ると。  遅かったやないか~!待っとったんや!と言わんばかりに。
スキンヘッドで髭を蓄えたちょいワル所ではないファンキーな初老のライダーさんが自分を待ち受けていた。
なぜかガラガラなライダーハウス。  ずっと一人で暇だったらしい。

一度喋り出したらもう止まらない♪  こうして羅臼のライダーハウスの夜は延々と。
なにわのファンキーおじさんと語り合いながら暮れて行った。

今朝起きると。  すでにファンキーさんの姿は無く。  自分も身支度を済ませ出発だ。
しかし。  今日はもう景色や出会い所では無かった。

寒い!!

驚きの気温に強めの海風。  手足は軽くかじかんでいる。



霧雨が降り出し。  更に寒さを増していく。  なんだか鼻水もタラタラ流れてきたので。
風邪でもひいたら堪らない。
今日はあまり無理せず。  中標津(なかしべつ)と言う街まで移動して後は休む事にした。

さてさて。  この先のルートだが。  早く波乗りしたいし。  根室はスルーしちゃおっかな♪
と、悪巧みをしていたら。

沖縄の。  シーナサーフの。  隣の。  ダイビングショップの。  ピンクマーリンクラブの。
元スタッフT君から突然の電話。
『覚えてますか!!!自分今、根室の納沙布岬のライダーハウスで働いてます!』と。
『ねっ根室…。了解!会いに行くよ(笑)』と。

そんな予定になってます。  では今日は早めに。
お休みなさいです!

【斜里のライダーハウスが一緒だったWさん】



【ウトロで出会った札幌のチャリダーさん】


【利尻島&利尻岳でもお会いした、なんと!女性日本一周チャリダーのN子さん】


【知床峠で出会った元日本一周チャリダーさん。次はアメリカ横断!】




【峠道の途中で車を停め羅臼岳を眺めていたおじさん】

 

このカテゴリの記事一覧