第四十三話 “ 0 と 1 ” 06-09

夜中。

体の痛みで何度も目が覚めた。
走行中の体勢からか、背中に腰痛みたいな痛みがある。
しかも回復する予定だった天気はどんよりしとしと。
梅雨の走りか。

ふぅ~。
昨日は突然の土砂降りにかえってハッスルしたが、今日はいまいち。
テンションが上がって来ない。
こんな日もある。
こうして留まっていても何も始まらない。

動く。
すべては自分が動く事で始まる。
走り出してしばらくすると雨が小降りになり。
そしてやんだ。
青春時代の思い出があるビーチへ向かう。
思い出がリアルに蘇る。
しばらく海を散歩し隣のビーチへ移動しようとすると。

つっちーと再開♪
隣のポイントで待ち合わせ一旦別れる。
つっちーに再会出来た事で疲れや痛みも少し軽くなった。
途中コンビニの駐車場で湘南から来たお洒落なサーファーさんグループに遭遇。
パシャリ♪



ポイント到着。
もも前後だが、誰もいない海。
つっちーはまだ来ていない。
海に入る支度を始めると、すぐにつっちーがやって来た。
一緒に海に入る。



楽しい。
一人で波と向き合う事もいいが、やっぱり気の会う人と一緒に入るのは楽しい。
しばらくの間、一人ワンピークの贅沢な時間。
いいセットが入ればgo!go!と。

しばらく波乗りを楽しむ。
『ごちそうさまでした。』
駐車場に戻ると、つっちーが昼飯&ビールを用意してくれた。
海上がりに乾杯♪





しばらく、たわいもない話しで盛り上がる。

ここから。
今日のジェットコースターのような一日に拍車がかかる。

地元ナンバーの軽トラの人が駐車場へ。
自分のチャリを見るなり笑ってる。
その人を見て自分も笑う。
この辺りのローカルさんのようだ。
仕事の昼休みに波チェックへ来たらしい。

Gさん。
しばらく旅の話しで盛り上がる。
ふと、つっちーを見ると一人たたずみ海を見ている。
あっ♪  そうだ♪
つっちーは東北から伊豆に来てまだ一ヶ月。
いつも一人で波乗りに行っているらしい。
まだ回りにサーファー仲間がいないらしく。
Gさんは人の良いローカルさん。

!!   二人を繋げよう。
つっちーへの恩返しであり、今までのたくさんの出会いや親切への恩返しのつもりだった。
二人をそれぞれに紹介する。
すると。
あることがきっかけになり意気投合した様子の二人♪



ここでひとつの繋がりができたわけだ。
こんな事をつっちーは言った。
『0と1』
『0と1の違いは大きいです。0はいつまでたっても0だけど、1は2になり、無限に広がるから』と。

なるほど。  確かにそうだ。
その無限の一歩を踏み出したわけだ。
ここから出会いがきっと枝分かれし、これから先のつっちーの伊豆LIFEがよりいっそう楽しくなる事を願うばかりだ。

午後。   つっちーが2R目突入。
自分はビーチ観戦。





しばらく海を眺めていると。
『来ちゃった(笑)』と。
突然横で声がした。  Gさんだ。



昼休みにうねりが入り始めた海を見て。
会社を早退してきたようだ(笑)

行ってらっしゃ~い!と海へ送り出す。
今日は久し振りの波らしい。
昨日の選択が今日の波に繋がった。
人との出会いにも。

しばらくすると。
雨がまた降り出した。
駐車場へ戻る。
一人のサーファーさんが声をかけてくれた。
茅ヶ崎で良く入るらしい。
自分を見て。
『なんか元気をもらいました~!』とI沢さん。



一目見てわかる人の良さとサーフィン大好き感。
たくさんの人達に声をかけてもらい、元気をもらっているのはいつも自分の方だ。

I沢さんとは数時間後にまた再会。
その時に。
茅ヶ崎に行ったら友人のレストランへと。
名刺を頂いた。
またこの先の楽しみが一つ増えた♪

さて。
そうこうしていると。
一台のワンボックスが自分に近づいくる。
『朝、そこで会ったのおぼえてるか?』
と。  あっ!   『覚えてます!』

そう。
今朝ポイントに向かう途中で犬の散歩をしていた人だ。
目が合ったので。
会釈し、『おはようございます!』と。
その時一瞬すれ違った自分を探しにビーチまで来てくれた。

シーカヤック 【ワンダフル ワールド】のオーナーさんとリエさんだ。
どうやらオーナーさんの興味レーダーが自分を捕らえたようだ。



体の疲れをとる為に今日は宿をとり、もう一日ここ周辺に滞在予定と知ると。
『すぐそこにウチのキャンプ場があるから今日はそこ使えば?お金はいらないからさ!』とオーナーさん。

一瞬迷う。   がオーナーさん。   すぐに。
『まぁとりあえずお茶でも飲みに来なよ!』
その人柄に、今度は自分の好奇心が反応した。
やはり自然や海と常に接している人は。
人間の器が大きい。

海からすぐのキャンプ場へ向かう。







『こんにちは~!』
『まぁ座って座って♪』と。
ビールが出て来た。
そして。   話し始めてすぐに。
来てよかった!と実感した。
面白い話しがゴロゴロと出てくる。

息子さんが中学生の時。
馬でモンゴルを横断させた話し。
娘さんをボルネオの首狩り族に会いに行かせた話し。
小さい頃から登山に行き。
小学生の時に自転車北海道一周。

こんな素敵なお子さんの育てかた。
【かわいい子には旅をさせろ】
まさにそれを実践していたわけだ。
それはオーナーご自身が旅をし、自然と共に生きて来たから。
学校や塾では教えてくれない事。

出会い。  感謝。   生き抜く術。
自然と一対一になった時。
自然には勝てない。
とすぐに悟る。
それを経験するかしないか。
その差は大きい。
自然は人を。
人の心を成長させる。
今、石垣に住んでいる八幡さんの話し。

この方。  現在。
オーストラリアから日本まで島づたいにシーカヤックで横断する前人未踏のグレートシーマンプロジェクトに単独で挑戦中との話し。
たまげた。

オーナーと八幡の出会いは。
八幡さんがシーカヤックで日本を縦断していた時に遡る。
ある日の夕方。
リッキー(犬)の散歩に行くと。
八幡さんがビーチに上陸してきたと言う。

会って見たい人。
話しを聞いて見たい人がまた一人。
オーナーとリエさんにはお世話になりっぱなし。
お昼にとおそばを頂き冷えた体が温まる。
近くの温泉の入浴券を頂き体の疲れをとる。
しかも。
しかも『あそこ使っていいよ!』とロッジを一棟貸して下さった。

なんて人だ。  心がでかい。   でかすぎる。
リエさんもそうだ。
本当に親切にしてくれる。
何気ない気遣いができる人。

山と海に囲まれ。  野菜を育て。  人と触れ合う。
『飾らなくなった』とリエさんは言う。
飾る事や見栄を張る事の無意味さ。
ここの生活でそれに気付いたわけだ。

自分には。
お化粧をして着飾りブランド物で埋め尽くされ、鎧を身に纏っている人よりも数倍魅力的に感じる。
自然な人だ。
だから自然と共存出来る。
完全武装の人の心はみえにくい。
少なくとも今の自分にはそう感じられる。

さて。  夜。  再びつっちーと合流。
ご飯を食べに行った。
自分は酔いもあり、熱く語った。
もともと無口でニコニコしている彼。
話して行くうちにつっちーが変わり始めた。
夢を語ってくれた。
でっかい熱い夢を。

きっとみんな。
心の中に夢がある。
漠然としている人もいれば、クリアな人もいる。
夢を語る事。
クリアな夢を語る事。

その瞬間。  夢が目的になる。
そこに。  迷いはなくなる。
なんの心配もいらない。
不安もなくなる。

そしたら。  夢が。
今まで追いかけていた夢が。
あっちからスキップしながらやってくる。
そんな気がする。

~~つっちーと別れた後、キャンプ場へ戻る。
熱い時間はまだまだ終わらない。
昨晩はブログを更新する前に寝てしまった。
シーカヤックの常連さん達と遅くまで語りあった。

朝起きる。  雲一つない空。



体の痛みもすっかり良くなった。
更新が遅れ心配をかけました!
今からちょっくら海へ行って来ます♪~~

では、また。