朝方、テントの中で寝袋にくるまっているにも関わらず寒さで目が覚めた。
荷物からダウンジャケットを取りだし着込む。
外に出る。
息が白い。
5月の朝がこんなにも寒いものかとちょっと驚く。
テントをたたむ。
折りたたみ傘すらまともにたためない自分にとっては非常に困難な作業。
それでも最近ようやく馴れてきた。
しかし、新品で届いた時の大きさには今だに収められない。
まぁそれはいい。
荷物をまとめ、佐伯港のフェリーターミナルへ向かう。
出港3時間前に到着。
誰もいない(笑)
と思ったらフェリー会社のおじちゃんが一人いた。
元お米屋さん。
今から20年程前。
免停になってしまいお米の配達が出来なくなった時に自転車にリアカーを付けてお米を配達したと言う。
30㎏のお米×5袋を積んで。
おじちゃんは言った。
『あの時までこの町にこんなに坂道があったとは知らなかったよ(笑)』と。
わかります。
その気持ち。
凄く。
でもおじさん。
『二ヶ月の免停の間に20㎏痩せて健康になったよ♪』
と笑ってた。
苦労も捉え方次第である。
さてフェリーに乗った。
お客さんは少なくちょっと寂しい。
しばらく横になる。
しばらくして外を見るともう四国が見えてきている。
龍馬さん気分で海から四国を眺める♪
マスト見たいなのにも登ってみる(笑)
*良い子はまねしちゃいけませぬ。
高知の宿毛港に到着。
しばらくうろつく。
本屋さんに寄って地図を物色。
高い。 重い。
いいのがない。
ん~。
まっいっか!
なんくるないさ~♪
と出発するも、いきなり迷い、道を尋ねる…
でも高知の人は優しい。
こんなに怪しげな自分にも優しく丁寧に道を教えてくれる。
港から少し走り、道の駅到着。
観光案内所に寄ってパンフレットが並ぶラックで地図を物色。
いいのがない
案内所のダンディーな兄さんに、
『他に地図なんか無いですよね~』と尋ねると。
ニヤっと兄さんの目が光った。
『これなんかどう?』
『こんなのもあるよ!』
と。
どこからともなく引っ張り出して来てくれた。
良く吟味し、
道の起伏まで書いてある地図をゲット!
さっき無理して買わなく良かった~♪
そして、そこから話しが弾んだ。
ダンディーな兄さん=原田さん。
やはりサーファーだと言う。
道理で。
黒い訳だ。
高知の波乗り事情も聞けた。
『ありがとうございました!』と言って案内所を出た自分の手には地図と煮干しとカップラーメンが。
本当にありがとうございました。原田さん!
さて、今日はあまり移動はしなかった。
時間もあるしもうちょっと進もうかとも思ったが、この場所にも少し思いでがあるからだ。
二年前の旅。
辛いばかりの道のりが続き四国に着いた。
そこで初めてチャリダーと言う人種に出会った。
神戸のS君だ。
彼とは3日間一緒に旅をした。
この場所はその彼と別れた場所だったからだ。
あの時、初めて旅の出会いの楽しさと別れの辛さを知った。
一期一会をリアルに感じた場所。
あの時のアイスクリンの味を思い出す。
もうお気づきの方もいるかも知れないが、出発からこの先の神奈川迄は多少の違いはあれど、二年前の旅を遡る道のりだ。
走る度に思い出す風景。
あっ!そういえばこの辺に商店が!
あった♪あった♪
あの時、あそこで休憩したなぁ~とか、
あの時はこんな事を考えてたな~。
とか。
その時の旅で考え続けていた事が、今回のこの旅の事だった。
いつか。
いつかサーフィンしながら日本を一周してやる!と。
人間、
夢を持ち、
想い続け、
それを口にし続けると、
本当にそれが実現するものだ。
当然、自分一人の力で今ここにいる訳ではない。
たくさんの人のお世話になり。
時には自分の意志を貫く為にわがままも言い。
でも、そのわがままを聞き入れてくれる人達に出会い。
そして応援され。
ちなみに今日は素敵な寝床を得た。
道の駅の売店のおじさんが『あそこで寝てきな』と。
お遍路小屋だ。
四国は本当にお遍路さんと旅人に優しく温かい土地だ。
沈み行く夕日を眺めながらそんな事を考えていたら、なんだか心が温まった。
また風が冷たくなってきた。
今夜も冷えそうだ。
今日はこの気持ちのまま眠りに付くとしよう。
では。
~高知県西部にて~