今日は。 一日中。 ダラダラと。 のらりくらりと。 小春日和の長閑な道を。 ぽかぁ~ん♪と走っていたからだ(笑) 午後にはKENGO君の予定目的地に着き。 近くの温泉につかり。 これまたぽかぁ~ん♪と… 今度は。 温泉施設備え付けの。 リクライニングチェアに寝転がり。 よだれをだらぁーんと…。 世の中に戦争や紛争が起きているのが嘘のような。 そんな平和な一日。 夕方。 KENGO君と合流。 彼が温泉に行っている間に自分は洗濯をし。 旅人の強い味方。 夕暮れ時のA-COOPへ♪ 2割引♪ 3割引♪ 半額!! そんなシールが貼られた商品を血眼で探す(笑) 見つけしだいカゴに入れる。 どれを買うか決めるのはその後だ。 夕方のスーパーは。 ワンピークのポイントブレイクだ。 ローカルのおばちゃんがひしめくその中で。 ビジターの自分に与えられるものは少ない。 そんなにガッツかないでメローに行きたいが。 こちらも今日の夕食がかかっている。 極上のセットを待ってばかりもいられない。 何とか。 おこぼれに預かり。 明日の朝食まで手に入れた。 さて。 一つ問題が。 今日の寝床が決まっていない。 このまま。 A-COOPの閉店を待ってその軒下で♪ と言う緊急避難的な意見も飛び出したが。 実は。 しっかり?リサーチしてあった♪ 『この先に公園があるみたいだから、そこに行ってみよう♪』 と、自信満々に発言をした。 『じゃぁ…』と、あまり気の乗らないKENGO君(笑) そうして。 日が沈み。 地平線に僅かに夕方の名残を感じる午後6時。 その公園を目指して歩き出した。 暗くて自転車には乗れない自分は後ろを歩いて行く。 しばらく行くと。 ○○公園入口とかかれた交差点に差し掛かる。 ♪ 『そこ!右だよ♪』と。 今日の寝床はすぐそこだ! と、思っていた。 が。 街灯もまばらな道を。 いくら進めど公園が見当たらない。 だんだん焦ってきた自分は。 自転車にまたがり斥候役をかってでた。 『ちょ…ちょっと見てくる…』と。 先に坂を下る。 徐々に街灯もなくなり辺りは真っ暗だ。 その時。 うおぉぉぉん♪ と、いう音が暗闇に響き渡った。 近づいて行くと。 こんな真っ暗闇で草刈りをしている人がいる。 正直。 ちょっと不気味だ…。 何と無く。 その草刈りをしている人の視線を感じたので。 ペこりと。 軽く会釈して通り過ぎた。 しかしその先には。 道らしい道は無く。 獣道のような道しか無くなってしまった。 とてもこの先の道を進み。 例え公園があったとしても… そこに寝る勇気がない(笑) がっくり肩を落とし。 来た道を引き返す。 ふと。 周辺の観光案内看板に目がとまったので。 何かいい情報はないかと。 看板を食い入るように見ていると。 突然。 背後で声がした。 『旅してるのか?』と。 びっくりして振り向くと。 暗がりに草刈り機を片手に持った人がそこに立っていた。 ビクン♪ なぜか高い壁をふらふらと歩いていて。 当然のように足を踏み外し。 壁から落下する。 そんな夢の時のようなビクン♪だった。 この状況は。 B級ホラー映画のワンシーンのようでもあった(笑) が、話してみると。 怖い人ではなさそうだ。 言葉の端々から。 キャンプやアウトドアに関する深い知識が見え隠れしている。 自分達が寝床を探していると知ると。 『じゃあうちの庭で張れば?』と、そう言って下さったのが。 すぐ近くで。 『くろんぼ』という喫茶店をしているSさんだった♪ 案内された庭に着いた瞬間。 自分ははしゃいだ♪ なぜかと言えば。 そこには。 子供の秘密基地さながらの場所があったからだ。 庭にある大きな"あこうの木"からはロープが下がり。 もうひとつの大きな木にはツリーハウスのようなものもあった。 周りには椰子やバナナ、パパイヤなどの南国の植物が生い茂っていた。 さらには。 小さなヨットやシーカヤックが。 その庭を囲むように置かれていた。 『本当にここにテント張っていいんですか!!』 と、聞いた時には。 『絶対この木の下に張るぅ!』と、既に心に決めていた。 『ちょっと暗いから明かりを着けよう♪』とSさん。 裸電球を木に吊り下げる♪ さらに。 ひょうたんを加工したランプを用意してくれた♪ まさか。 つい10分前まで。 こんなに素敵な場所でキャンプが出来るとは。 思ってもいなかった。 テントを張り終えしばらくすると。 Sさんが。 『ちょっとこっちへ来ないか?』と、喫茶店の中に案内してくれた。 遊び心が溢れ出したような。 そんな店内だった。 『はい!お冷や♪』と出てきたグラス。 鹿児島のお水は不思議な味がするようだ(笑) なぜか水に酔った自分達。 夜遅くまでたくさん話しをした。 Sさんの遊び場は至る所にある。 シーカヤック&離島キャンプ。 フィッシングやウィンドサーフィン。 ヨットにマラソン、トライアスロンまで。 ダイビングはインストラクターで。 山にも登る。 利尻島のTOSHIYAさん見たいだ♪ でもこんな事を言っていた。 『僕はサーフィンと石鯛釣りだけは手を出さないよ(笑)』 と。 『やっている人を見ると、すごく楽しそうで(笑) 自分が手を出したら確実にはまってしまうからね♪』 と。 一つの事にこだわり続けるのでは無く。 自分の興味が赴くままに。 フィールドを選ばない。 その時一番条件が合っている"遊び"をする。 そんな方だった。 こうして。 お水しか飲んでいないにも関わらず。 二人でフラフラしながらテントに戻り。 転がり込むようにそれぞれのテントへ。 ふと。 さっきのSさんの顔を思い出した。 『だっていつまで遊んでいたいじゃない(笑)』 と、そう言っていた顔が。 昔、絵本で見たトムソーヤのようだった。 みんな。 大人になるに連れ。 子供の頃に持っていた"遊び心"を忘れてしまう。 いや。 本当は持っているのに。 でも・けど・だから。 と、なぜか自分でラインを引いている。 そしてそのラインに縛られて。 身動きが取れなくなる。 そして言う。 『そんなこと、俺も若い内にやりたかったなぁ~。』 と。 またそこに。 年齢と言うラインを自分で勝手に引いてしまうのだ。 年齢・性別・ハンディキャップ。 旅をしていて出会ったたくさんのトムソーヤ達は。 そんなラインを。 限界と言うラインを。 誰一人引いていなかった。 86歳のチャリダーYAMADAさんは。 『これは道楽じゃ(笑)』と、人生を楽しんでいたし。 ハンディキャップを持ったお遍路さんは。 『やって見なけりゃわからんだろう!』と言っていた。 みんな。 子供のように目を輝かせて笑っていた。 自分も。 いくつになっても。 そんな遊び心を忘れない。 そんな大人で在り続けたい。 そう思った。 ではまた! |
開聞岳が見えて来た。 前に開聞岳を見たのは。 そう。 ちょうど半年前だ。 沖縄の本部港から。 フェリーに乗り。 一晩眠り。 夜が明けた。 鹿児島が近づくにつれ。 自分の目をくぎ付けにしたのは開聞岳だった。 その時に。 一緒に話していた鹿児島のおじさんが。 その秀麗な山を見てこう言った。 『開聞岳が見えると、帰ってきたなぁ~って思うんだ』と。 そして。 『もうすぐ錦江湾だ。鹿児島はもうすぐそこだぞ♪』と。 枕崎に着いた辺りで見えてきたこの山を見て。 その時の光景が鮮やかに蘇った。 あれから半年か…。 と。 少し前まで。 鹿児島に近づく度に。 表現しきれないような気持ちになっていた。 でも。 その先に再び目的を見出だした時から。 鹿児島へ近づく事への切なさは消えていた。 まだまだ旅は終わらない! と。 今日の目的地を決め。 それぞれに出発した。 常に視界には開聞岳が見えている。 しかし。 必ずと言っていい程。 視界を遮るものがある。 どこかでこの山を。 この山だけを眺めたかった。 いつしか自分の中で。 波探しならぬ開聞岳ビューポイント探しが始まった。 いくつかの場所で山を眺め。 ん~…なんか違うなぁ…と思いながら進んで行く。 急に海沿いの道に出た。 ちらっと見ると。 中々よさそうな場所がある♪ ハンドルをきり。 海岸淵まで行ってみた。 ♪ やっぱりこれだ♪ 海にそびえ立つ円錐の山。 視界を遮るものは無く。 その裾野までを見る事ができた。 近くに。 車を停めて海を見ている人がいた。 ふと見ると。 サーファーさんのようだ♪ 『おはようございます!』と挨拶すると。 笑顔が帰って来た。 NAさんとNIさん。 この少し先に。 ポイントがあり。 そこなら少しだけ波がある。 と、教えて下さった♪ 場所を聞き、お礼を言ってその場所に向かった。 集落を抜け。 ガタガタ道を進み。 明るくなったら左。 その通に進んで行くと。 海岸手前にたどり着いた。 そこには。 海あがりのサーファーさんの姿があった。 『こんにちは~!』と挨拶をし海を見に行った。 海に入っているサーファーさんが一人だけいる。 波は。 ひざ。 潮が上げて来ていて。 割れづらい波。 たま~のセットが辛うじて岸近くでブレイクする。 そんなコンディションだった。 旅に出る前の自分なら。 この状況で海に入ろうとは思わなかったかも知れない。 しかし。 その海を見て。 旅の締めくくりに相応しいと思った。 波・サーフィンに対する感謝の気持ち。 自分の心次第で。 どんなコンディションでも。 "いい波"に出来ると。 それをこの旅で知った。 卒業試験だ♪ おもむろにウェットに着替える自分。 ちょうど今、海あがって来たローカルさんが。 『えっ!?今から入るの?』と驚いた。 『はい!』と自分。 確かに。 このコンディション。 一本も波には乗れない"かも"しれない。 でも。 乗れる"かも"しれない。 可能性は常に0ではない。 海に入る。 開聞岳がすぐそこに見える。 その雄大さを肌で感じる。 海に入らなければ感じられなかったかも知れない。 波は相変わらずだ。 いつ来るともわからない波を待ち続ける。 そんな時。 一本のセットがやって来た。 行ける♪ 直感的にそう思った。 ピークを見つけ全速力でパドルする。 乗れた♪ ロングライドでも何でもない。 ただテイクオフしプルアウトしただけだ。 でも。 それだけで大満足だった。 すると。 さっき海から上がって行ったサーファーさんが。 再び海に入ってきた。 二人で。 右かと思えば左。 左かと思えば右に入ってくる気ままなセットに振り回されながら。 笑いながら波乗りを続けた。 『今度は左じゃないですか(笑)』 『でも左に行くと右に入るんだよね~(笑)真ん中かなぁ~』 『じゃあ自分は右に♪』 と、そんな具合だった。 結局。 その日一番のモモサイズのセットは。 二人の予想に反して。 左奥でブレイクした。 楽しかった。 改めて思った。 波は。 波乗りは。 サイズやコンディションではない。 と。 心でするものだと。 ではまた! |
昨夜の事だった。 目的地の指宿にある道の駅で合流。 いつものように。 くだらない話しを。 今日が長かったKENGO君との旅路。 その最後の夜である。 でも。 特にはその事に触れない二人。 そんな事は。 言わなくてもお互いにわかっているからだ。 いつもは自分がべらべらしゃべり。 KENGO君が相槌をうったり笑ったり。 でも昨夜は。 珍しく。 KENGO君から自分に話しをしてきた。 『この旅が終わったら、恩返しをしたい』と。 自分は黙って聞いていた。 でも。 その話しを聞けて。 すごく嬉しかった。 夜中から雨が降り出した。 天気予報は本当にあてにならない。 そもそも。 天気を予測する事自体間違っているのかも知れない。 その雨は朝まで降り続け。 今なお降り続けている。 出発のタイミングを伺うも。 雨は止まない。 『行きますかぁ。』と、雨仕様の姿になり。 鹿児島港を目指した。 午後。 晴れ間も出て来た頃に。 奄美・沖縄航路のフェリーターミナルへ。 でも。 フェリーに乗るのは明日にした。 なんとなく。 KENGO君に見送られるのではなく。 東京までのまだまだ長い彼の旅を。 逆に見送りたかった。 夕方。 再び合流。 今日のKENGO君の目的地は。 この先の桜島フェリーに乗り。 降りたすぐそばにある道の駅だ。 時間もあるので。 鹿児島の街を練り歩き。 夕食を取る事にした。 最後くらい美味しいものでも食べよう! と、そんな具合だ。 この夕食が済めば。 桜島フェリー乗り場まで一緒に歩き。 その出港を見送る事になる。 いよいよ最後だ。 ささやかながら。 ビールで乾杯♪ ふと。 自分がこれから向かう奄美大島の話になった。 その時。 KENGO君がぽろっとこう言った。 『本当は僕も奄美大島に行って何かできればなぁ~って思ってるんです"けど"時間が…。』 と、つぶやいた。 "けど"?の言葉が妙にひっかかる自分。 半分冗談。 半分本気で。 『時間がないとか言い訳するなぁ~!行きたいなら行けばいいじゃん!恩返ししたいんでしょ?』みたいな事を言った。 …。 一瞬の間の後。 彼の口から出て来た言葉に。 本当に驚いた。 『…行きます!僕も奄美大島行って…一日、二日の短い時間でも…やっぱり素通りは嫌だ!』 と、そんな事を言ったのだ。 えっ? 自分はその言葉に。 きょとん♪ としてしまった。 そして次の瞬間。 大笑いした。 つられて彼も大笑いしていた。 嬉しくて涙が出た。 それを隠すようにまた。 大笑いした。 自分は笑いながら出てくる涙をおさえながら。 『最高だ!やっぱり最高だよ♪』と笑い転げた。 これが。 毎日毎日。 寄り道もせず。 ただただひたすら。 歩き続けゴールを目指していたKENGO君の。 初めての寄り道だった。 その後。 『じゃあ、このお別れ会的な夕食はいったい…(笑)』 と、嬉しさを隠すようにおどけて見せたりした。 別々に宿を取り。 明日の夕方フェリーターミナルで待ち合わせをした。 奄美大島に何か役に立てればと。 決めたその時から。 心はすっきりしていたが、何をどうしていいのかわからなかった。 それがちよっと不安だった。 でも。 心強い仲間ができた。 そして。 KENGO君と。 この旅で出会えて。 本当によかった♪ と、そう思った。 ではまた! |
ぶわぁぁぁぁん! 出港の汽笛がお腹に響いた。 明日の朝には奄美大島、名瀬港に到着する。 その後の予定は何も決まっていない。 が。 利尻風に言えば。 『行き当たりバッチリ♪』 この旅で出会った1番好きな言葉だ。 この旅は。 最初からそんな旅だった。 だから最後まで。 行き当たりバッチリ♪で。 汽笛と共に。 離れて行く港を見ながら武者震いした。 いよいよだと。 しかし。 船内の乗客の多さには驚いた。 2等船室は満員御礼。 その中でも目を引くのは。 作業服に身を包んだ人達。 きっと。 奄美大島の災害復帰に向かうのだろう。 そんな中。 なんとなく気後れしてしまう自分達。 でも。 旅に出て。 一つ得たものがある。 それは"自信"だ。 それは自分を強く見せたりするものではなく。 自分を信じる勇気。 きっと何か出来る事がある。 そう心の中で信じている。 小学生の頃。 細かくは覚えていないが。 母親から手紙をもらう。 そんな授業のようなものがあった。 その手紙にはこう書かれていた。 『あなたは私のお腹を痛めずに産まれてくれた優しい子です。そのままの優しい人に育って下さい。』と。 優しさとは。 強さであり。 勇気であり。 自分を信じる心だ。 胸を張ろう! 自分は間違ってない! と。 錦江湾を南に進んで行く船。 その船のデッキの上で。 離れていく街と。 星空を見ながら。 『よっしゃっ!いっちょやったるで~!』 と叫んでみた(笑) ではまた! |
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【Kさんからの差し入れ】 |
【すみませ~ん♪手空いてますかぁ~?】
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