第百七十話 “ 恩返しを致したく候 ”



こんなに綺麗な夕焼けは。  初めてかもしれない。
刻々と変化していく表情に。  すっかり見とれていた。
この夕焼けの。  ずっとずっと先に。  何があるのだろうか。
西の。  海の  その先に。

昔。
クラスの中でイジメが起きた。
子供は時に残酷な悪魔にもなる。
担任の先生がこう言った。
『クラスの中でイジメられてる子がいて、みんなそれをわかっていながら何もしなかったの?』
…。
『それじゃあみんなでイジメているのと同じじゃないですか?』と。
その言葉に。  子供ながらにショックを受けた。
確かに自分は何もしていない。
なのに。
イジメたのと一緒??  なんで?  なんで?

先生の問いに。  小さいなりに必死で考えた。
見て見ぬ振りをして。  助けようともしなかった。
つまりそれは。
同罪って事だ。
それに気付いた時。  何とも言えない。  モヤモヤした気持ちになったのを覚えている。

あの日から。  昨日まで。  どこかその時の気持ちに似た。
モヤモヤとした物が心の中にあった。

そして昨日。
自分の中で一つの答えが出た。
そして今日。
この真っ赤に染まる夕焼けを見て。  心に決めた。   『行こう!』と。

何も出来ないかもしれません。
でも。
小さな事でも。  何か出来るかもしれません。
ただ何もせず。  そのまま通り過ぎると決めた事に。  ずっと違和感を感じていました。

『災害があったので立ち寄りません。』
本当にそれでいいのかなぁ?
と。
そんな時にふと目に留まったある方のブログに。

http://m.ameba.jp/m/blogArticle.do?unm=love-song0520&articleId=10688189196&frm_src=article_articleList&guid=ON

そこに。
答えがありました。   モヤモヤも消えました。

なので。
沖縄にゴールする前に。   奄美大島に行きます。

自分にも出来るかも知れない何かを探しに。
お金はありませんが。
時間と。   元気で丈夫な体はあります。

今がどういう状況かもわかりません。
もしすでに。
人手を必要としていなければ。
それはそれで。   かえって良い事です。

サーフィンはしません。
島の方全てに笑顔が戻るまで。
その為に。   ほんの少しでも。   何かの役に立てれば。    と、そう思います。
そして。
それがまた。   直接ではなくても。
この旅で出会い。   優しくされ。    お世話になった皆さんへの。
そして。
時に激しく。   時に優しく。   時に静かに。   その存在を教えてくれた。    自然の恵に。
そして。
たくさんの大事な事を教えてくれた。    この旅に。

自分が出来る。   ほんの少しの。   恩返し。   だと。
そう信じて。

一期一会 一波一会 合掌