~自転車日本一周波乗旅的西方島波見聞録~
第百六十七話 “ エピローグ ” 



明日から。  海は大荒れになるらしい。
それを知ったのはフェリーターミナルだった。

まんまと次の島行の便に乗り遅れた自分。
その島へ行く船が出るのは。  明日の夕方発らしい。

そんな話しを窓口で聞いている時だった。
カウンター越しの切符売り場の女性の方が。
『まぁ欠航にならなければ♪ですけどね♪』と。

その言葉が気になり。  残り少ない携帯の電源を入れ。
天気予報を確認した。

…これはまずい。
直感的にそう思った。

夕方頃には確実に欠航になりそうな荒れ模様。
しばらく考えた。

朝一番の長崎行の便が出港するなら。  それに乗って島を離れようと。
そう決めた。
それに。  もう十分だった。
最後の島にいけなかったとしても。
今日という日があまりにも印象的だったからだ。

失礼ながら。
今まで名前も聞いた事が無い島へ。
もしかしたら♪  と、突然渡り。
こうして島の波と。  サーファーさんに出会えた事。
優しさ温かさに触れられた事。

KYOさんが。
ゆっくり話しも出来ず、なにかもっと他にしてあげれた事があったんじゃないかと…。
と。
こうしてお会いできた事。
島のサーファーさんが楽しみにしていた大切な時間を一緒に過ごせた事。
何より。
この西の島々で出会えた。  たくさんの笑顔と"いい波"が。  最高の歓迎でした。



翌朝。
朝一番の長崎行のフェリーは出港した。
こうして。
自転車日本一周波乗旅的西方島波見聞録は幕を閉じていく。

離れて行くしまなみを見ながら。
ふと思った。
『そういえば日本って島国だったよなぁ…』
と。

*短い島旅でしたが応援して下さった島の方や野宿させて頂いたフェリーターミナルの関係者の皆さん。

本当にありがとうございました。